サッカーが「観るもの」から「やるもの」になれ!とゲームにハマってから思った話

2023年3月6日月曜日

エッセイ的なもの 雑記

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私の趣味として、ゲームがある。
もともとは普通のゲーム好きだったと思っている。モンハンにハマったりウイイレでマスターリーグを延々と回したり。
だが選手を辞めたあと、

「Apex Legends」



というゲームをきっかけに対人ゲームにハマることになる。
いわゆる「FPS」と言われる、銃で撃ち合うジャンルのゲーム。

この形式でインターネットを通じ、世界と争える世界を知ってしまった。

比喩ではなく、文字通り世界ランキングが付く世界。その世界に僕はどっぷり浸かり、「Overwatch」というゲームではプレイ時間が3年足らずで1200時間を超えた。




趣味と言うにはプレイしすぎな気がする。


そんな所からハマったゲームで競争する魅力、そしてここ数年ピックアップされる「esports」という言葉の世界。この世界が、サッカー界にしかいなかった私にとって新鮮で面白かったし、大きな気付きをくれた。

そのひとつが今回のテーマである


「サッカーは観るもの」


という現在の状態についてである。
今日はそんな話をしていきたい。


サッカーは「プレーするもの」だった筆者


筆者の人生で言えば、サッカーを始めたのが幼稚園の年中。
そこから選手を辞める、24歳までずーーっと

「サッカーはプレーするもの」

であり、

「観戦は応援もあるけど上達の為に見る」

という意識が強かったと自覚している。
ちなみにサッカーを辞めてから5年ほど経つ今でも、このクセは抜けていないもので。観戦していても、自分が苦手だったプレーに敏感だったり「上手い!」じゃなくて「そうすればいいのかー」ってリアクションを取ってしまったりする。

一方でこういった心境で観戦する人は決して多くなく、大半の方にとって

「サッカーは観るもの」

という立ち位置だと思う。実際筆者の周辺でもサッカー未経験者で観戦が好きな人というのはとても多い。身近なところで言えば家族は自分と弟以外全員そうだし、嫁もそう。


「観るもの」になるかと思ったesports



だから筆者にははっきり言って、観るものという感覚が多分死ぬまで分からないんだろうなと思っている。

ただ、そうなるかも、と思ったものが一つある。それが、esportsと呼ばれるゲーム業界だ。

筆者はフィジカルスポーツの代表と言っても良いサッカー界で生きてきたから、ゲーム界のことはほとんど知らないままに生きてきた。
ウメハラって人がギネスに載るぐらい格ゲー界ですごいとか、本当にそれぐらいだと思う。


ただ僕はズブズブゲームにハマリ、esports界を知り、「競技シーン」という存在を知ることになる。

ゲーム界は、「ランクマッチ」と呼ばれる世界と戦える競争を味わえるモードがだいたい搭載されている。
勝敗に応じてポイントが上下し、より上を目指すというシステム。

それに対して競技シーンというのは、大会に出て勝利を目指す人達のことを指す。ゲームシステム内の競争では無く、より競技として確立された場で戦うというイメージをしてもらえればいいだろうか。

この「競技シーン」と呼ばれる場所はいわば一つの到達点であり、全く縁遠いものなのかなと思っていたが、実際はそうでも無かった。

ゲーム内のランクマッチで世界トップクラスに行けば、競技シーンの人達とバチバチに戦うことが出来る。
ランキング上位になれば、チームからのスカウトも夢では無い。
よって、
「自宅で、目の前のモニター内で起きている戦いがそのまま世界と繋がる」
という状況が出来ていることになる。

一人で出来る格ゲーなどになれば、それはもっと顕著だ。
自分の意志のみで大会にエントリーが出来、自宅から予選に参加でき、勝ち残れば文字通り世界を目指すことが出来る。

この直結したシステムにより、筆者はプロゲーマーの戦いを見るときも結局
「俺がやってることの頂点」
として、プレーする側の目線になってしまったのである。


実はサッカーも大差ない



で、これは意外と知られてないかもしれない話。
社会人サッカーにおいて、近所の運動公園で行われるような市リーグとかその下の地区リーグと呼ばれるもの。
これらはすべて、形としてはJリーグと繋がっているし天皇杯ともつながっている。

リーグを昇格していく毎に地区、市、県、地域、JFLと舞台が上がっていく。
そして天皇杯はエントリーさえすれば、県内すべてのチームが参加できる県予選が開催されている。
つまりルートはどんなチームでもACL、CWCまでつながっていると言えるのだ。
(厳密にはJ1ライセンスを持っていないと出場できません、あくまでも大会の形としてくらいに思ってください。)

だから誰でも、頂点に挑戦する権利を有している、この状況だけで言えば変わらないのだ。


サッカーをやってみる、というハードルの高さ


一方で仕組みよりも大事なのは、実際にプレーしてみるまでのハードルである。

まず先に言ってしまえば、この点はゲームが非常に優れている。
なんせインターネット回線とプレイできる環境さえあればすぐにスタートすることが出来る。

大会を見て、このゲームやってみたい!と思ったらすぐにスタートできる。このアクセスの良さはゲームの非常に優れた点だと思う。

スマホゲーならばPCどころかゲーム機さえ要らない。もちろん大会になればチームメンバーを集める必要があるが、それでもサッカーよりは簡単にできることは間違いない。
よっぽど勝ち残らない限りオンライン開催だし、チームメンバーの募集はツイッター等のSNSで常時行われているレベル。

ゼロからのスタートもしやすい、競技としての入り口も自宅から踏み入れられる、そして大会へのエントリーも気軽。
こういった「観る」と「やる」の行き来が非常にしやすいというのは利点だと思う。


それに対して、サッカーというのはどうもハードルが高い。
まず、未経験の人たち、サッカーを全くやったことが無い人たちがやってみる場というのが存外少ない。
Jクラブが主催する大人のサッカー教室系がメインだろうか。
全くボールを蹴ったことない人がどうサッカーに「プレーする側として触れてみるか」というのは想像するとハードルが高いのだろうなと思う。

あくまでも推測しかできないのが、筆者の至らないところではあるが。


ボールを蹴ると世界が変わる



それでも、できれば皆さんには足でボールを触ってみてもらいたいなあと思う。
更にできれば、エンジョイフットサルでもいいから、
「相手チームと勝利を目指して試合をする」
という経験を是非に体験してみてほしい。

それを経験するだけで、普段見ている試合の価値観がガラッと変わるのではないかと思う。

筆者はプロ選手がミスをしたときに、「へたくそ!」とは絶対に言えない。
自分が人生を賭してたどり着けなかった境地で日々戦っている人たちにそんなことは言えない、という心境なのだ。

だから凡ミスとかイージーミスを見ると「雑!」とか「もったいねえ!」って叫んじゃう、そんなタイプ。


そんな選手たちの凄さを知ってほしいから一度サッカーに体で触れてみてほしい、という意見もぶっちゃけある。

けど一番は、サッカーってマジで楽しいんだよ!という点。

ボールが自分の意図通りに飛んだり止まったりするだけで超快感、というレベル。
サッカー好きにボールを渡しておくと無限にボールをいじり続けるのは、練習見学に行ったりした方なら見覚えがあるかもしれない。
練習前のアップがてらリフティングしたりパスしたり、終わってもボールを触りまくってる。

その快感を味わってほしい。

そのうえで、駆け引きやデュエルの楽しみ、チームメイトと連携して点を取る快感まで味わえたらそれはもう言葉にすらできないぐらい楽しい。
ゴールを決めるときのしびれる電流、ドリブルをばちーん!とストップしてボールを奪い切ったときの脳汁、次のプレーのためにピタリとトラップが止まるときの余韻、一つ一つが愛おしいほどに。

だから、もっと気軽に
「サッカーに対してプレイヤーとして触れてみる」
という経験を是非してみてほしい。

そしてそんな場が増えることが、よく言われる「サッカーが文化になる日」の基準としてひとつ大事なんじゃないかな、なんて思ったりもする。


だからまずは、サッカーボールを買ってみよう。
近所の公園で誰かとパス交換をしてみたり、ちょっとリフティングに挑戦してみたり。
脚でボールを操る難しさと、それが故に得られる快感は何にも代えがたいものだと知ってみてほしい。


あとがき



18年間サッカーをやってたどり着いた答えは、
「対人競技としても楽しいけど、根本的にボールを操るのが楽しすぎる」
というものだったりするので、こんなことを書きたいなと。

もっとプレーだったり、サッカーの片鱗を体験できる場が増えたらいいなとここ数年ずっと考えていた、そう思うようになった理由が最近自分の中ですっきりと消化できたのでなんとか記事にしてみました。

せっかく雑記も含むブログとして書く!と決めたので、書きたいことはゴリゴリと書いていこうという気概も込めて勢いで書いてみましたがいかがでしたかねえ。。。

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