なぜ柏レイソルは「バラバラ」に見えるのか、「配置は電話番号」が半分嘘で半分本当だという話。

2023年3月24日金曜日

2023J1 柏レイソル

t f B! P L

 


えー、広島vs柏を見返して、ちゃんとレビューという形でこのテーマについて書こうと思っていたのですがそんな時間が取れないのでひとまず思っていること、考えていることを書きます。

なんでバラバラだーと思っているのか、ネルシーニョのままだとやばい!と思っているのか、それをなるべく説明できるような記事にしたいですね。



広島戦で明確になった「連動性と設計図」



私、久々にというか今シーズン初の現地観戦。広島vs柏。
それも柏側、アウェー席でゴール裏真裏から見ておりました。
だからこそ結構見えてくるものもありまして。


まず明確に見えてしまったのが、「連動性」。
これは結構あやふやな言葉なので分かりやすく説明したいんだけれども、この試合を例にしてみると。

広島は基本的に他の人が何をしたいか分かっている動きが柏より多い。
ナッシムが背負いながら受けるシーンでは落としを受けられるポジションを取って助けてあげたり。
荒木から塩谷に渡してプレスがハマりそうな瞬間に前線が裏を取って陣地回復したり。
森島と満田は特にこういったフィーリングが良く、運動量と合わせてピッチのあらゆるところでチームを助ける動きをしていた。


それに対して、柏は何をしたいのかが統一できてるようには見えない。
個々の選手は多分頑張ってる。けど同じプレーをイメージできていないから、助けてあげることが出来ない。

細谷を中心に前線は一生懸命裏を取ろうと駆け引きするが、バックラインは早い段階から裏を取るより少しでも保持しながら前進したい素振りを見せる。
結果的にDFラインに張り付き気味な前線と低い位置から繋ごうとするバックラインで距離が広がってしまう。

で、中盤はどっちに寄せるか四苦八苦。後ろを助けに行けばロングを蹴ったときに前線の圧が足りない。かといってセカンドボールに備えてポジションを高く取るとバックラインが孤立する。

つまり未だに「チームとしてどう戦うか」が共有できてないんですよね。
これ、結構マズいわけです。


で、細かいことを書いちゃうと長くなるんですが守備も同様で。
「どこから守備をスタートさせますか」
「どうやって限定して、どこで奪う予定ですか」
というのがたぶん上手く共有できてない。

前から追ってみたり引いてみたり、ピッチ上でちょっとずつ工夫や変化をしようとしてるんだけど、それはあくまで個人の話。それが11人で同じ事を出来てますか?ってところが非常にあやふや。

共有できていないと何がマズいのか


これが共有できていないことの一番のデメリットは
「判断の基準が揃わないこと」
これにつきます。というか今のレイソルのバラバラ度合いはこの一言でだいたい表現できる。

例えば超分かりやすく、
「守備はCB放置、SBに入ったら内側を切って蹴らせに行こう」
という方針を決めたとします。
これが共有できていれば、

FW「CBが持ってる、次パス出たら俺が最初にプレスだ」
MF「あいつが最初にプレス、その瞬間にマークを詰めて出させないようにしよう」
DF「しっかりプレスがかかればロングボールが来る、競り合いの準備だ」

というように判断が揃っていくわけです。

攻撃も同様で、繋ぐって決めるんであれば全員が繋いで前進するための動きをするし、安全第一と決めればロングボールへの反応を中心に準備できる。

そうやって判断が揃うから、結果として連動が出来るわけです。

これが今の柏にはなかなか見られない。
ましてや就任してもう何年も経つ、となれば成長してない!ずっとバラバラ!となってしまうのもご理解いただけるかと。


「配置は電話番号」の嘘とホント



最近ちょこちょこ言われるこの言葉。半分当たってると思ってます。わかりやすく説明するとしたらだけど。

確かに配置はあくまで番号に過ぎず、
「その配置を持って何を実現するのか」
が明確で無いとただの番号で終わります。そこにいるだけ。

だけどチームとしてのイメージ、プレーの基準が揃っていれば、
「配置はプレーの助けになる」
と考えています。こういう位置取りをすればこういうプレーがしやすくなるよね?という。

むしろプレーのイメージが先にあって、配置が決まるわけですね。
そっちのが大事だから。それがあるから攻撃と守備でちょっと並びが変わったりすることもあると。いわゆる可変ですね。

広島vs柏はそんな差がもろに出た試合だったなあとちょっと思っています。


監督の役割が見えない悲しさ



最後に、なぜネルシーニョでは無理だ!と断言するサポーターが多いのか。

まずもって、もう年数がだいぶ経っているんです。だから時間を言い訳になんて全く出来ない。新加入選手が来てからの時間、とかもあるかもしれないけどそもそも毎年同じ悲痛な叫びが上がっているので時間が解決するようなものでは無いわけです。

次に、試合中の打つ手がほとんどないという点。
基本的には人の入れ替えのみ。で、ぶっちゃけると配置が噛み合ってない相手に対していくら人を変えてもそれは手当てにならないことが大多数です。だって人が足りない場面を作られるんだもの、物理的にかなり厳しい。

かつてのネルシーニョはチームを厳しい規律と勝利への執念、そしてメンバーの入れ替えによるカンフル剤で刺激し続けました。
けれどもうそれだけでは戦えないリーグになってるし、結果が付いてこなければハードワークも続くもんじゃあ無い。
サッカー面においてネルシーニョ体制を続けるメリットが見えないという現状。


ただし、ネルシーニョは長期契約なので解任すると違約金が高いという話があり、どうすんねん状態というのがおそらく本音です。
進むも地獄、引くも地獄。


応援と期待値の差



ゴール裏は超耐えてました。ブーイングしないで鼓舞してあげよう、と拍手でした。
自分だって応援する気が失せるって事は全くない。
けれど、さあ浦和に勝つぞ!って気持ちになれないのもまた事実。
応援はする、けれど客観的に見たら今年はマジで降格しないことを祈るしか無い。そんな覚悟を決めている状態です。俺だけじゃ無いかもしれないけど。


なので今シーズンは祈るしか出来ない試合が続きそうですが、頑張って見守りたいと思います。強い気持ちで。



QooQ