リカルド新監督の元、昨年と完全に別チームと化した柏。ポゼッションを軸に相手をじっくりねっとり押し込みつつ、前線のパワーを活かしたシンプルな攻撃もありここまで好調、なんだけど前節鹿島に初黒星を喰らったタイミングでリーグ屈指の強度を誇る広島との試合。
対する広島は超過密日程のラストとなる試合。メンバーが替わることが少ないまま戦い続けながら、最後をホームで迎える。おそらくボール保持を目指すであろう柏に対してどこまで強度を保てるか、というのが個人的には注目だと思っていた。
私事の話をすれば、嫁さんが広島サポ、私が柏サポと言うことで年に2回ある夫婦喧嘩の日。
当日は嫁さんにチケットを取ってもらって久々の現地観戦となりました。
久方ぶりの現地 pic.twitter.com/AmTXiMtBHZ
— 山田有宇太 (@Grappler_yamayu) March 16, 2025
試合
広島は前線の機動力、特に中村のスピードがここでもう光り始めるし、ジャーメインもまた怖さを出す。
アバウトな前進(ざっくりロングボールを裏のスペースに入れて勝負したり、前線に放り込んで空中戦したり)に関しては広島に分がありそう、という雰囲気。
一方の柏はヘディング勝負になると垣田に対して荒木が競り勝つ。なので正面からヘディング勝負ではなく、斜めに垣田が走りながら起点になる形。この時、荒木はかなり付いていく動きを見せ、明確に人を見るという意思を感じる。
ここら辺で広島としては点を取っておきたかっただろうし、実際ジャーメインに大チャンスが訪れていた。中野のスピードも凄いのだが、ここら辺の時間帯はセカンドボール(競り合いの後のこぼれ球)を広島が制圧できていて、このチャンスもセカンドボール回収から発生していた、というのは大事なポイント。
柏が前線にロングボールを入れて奪われる、という形なので中盤には思うように人を置いておけない、競り合う垣田の周辺に人を置いておきたいから。
ただそうなると奪われてすぐ前線に放り込まれたときに広島の方が良い配置になりがちになる、というのがざっくりとした理由。で、この理由を出来れば覚えておいて欲しい。
12分ぐらいから徐々に柏は蹴らずに保持するぞ、という動きを見せ始める。試合後のインタビューを見るに立ち上がりのロングボールはチームとして準備していたようで、それをやめていつもみたいにボールを繋ごうぜ!というところ。
ただサンフレも簡単には蹴らないで繋ぎたいぜという素振りがこの試合は結構あった。
今までよりもここは意欲的に取り組んでいるように見えたし、それが如実に出たのは大迫と荒木の位置関係が縦ではなく横気味だったところかもなと見返してみて思ったり。
強度の高さとカウンターの切れ味で猛威を振るった広島だからこそ、ボールを持たされたときにも出来ることを増やそうという取り組みかな?と思うし、あるいは保持する時間を作ることで自分たちが休み、強度を落とさないという狙いもあるのかもしれない。
広島の保持において存在感を出し続けたのが中島。小泉渡井の背中に生まれるスペースを有効活用し続ける細かいポジション取り、プレス耐性、なんならゲームテンポのコントロールまで握る活躍、その影にはフリーランを厭わず回数も繰り返せる川辺が居る事でポジション取りに専念できる、という部分も大きそう。
広島としては繋げれば繋ぐし、プレスがきつければシンプルに前線勝負も出来るという構えなので柏は出来るだけ保持を辛抱強く続けて相手を押し込みたいところ。広島の強みがカウンターや切り替えの早さだからこそ、押し込むことがこの試合では超大事だった、と個人的には思っている。
逆に広島はいつも通りプレスをしっかりかけにいくが、柏のGK小島が全くビビることなくボール回しに参加し、良いパスを通すのでそう簡単に取り上げられない。それが分かっているからDF陣も小島までボールを戻すことに躊躇がない。従って広島の守備は思い通りにボールを刈り取れることが少なかった。ただしロングボールを蹴らせれば、そこには空中戦最強クラスの荒木がいる。柏の前線は垣田小泉渡井、なので実質ロングボールのターゲットになるのは垣田一択、というところでヘディングでは試合通してずっと優位を握った荒木の存在は大きい。
柏の保持と、それがもたらす効果
熊坂を経由させることで、相手は真ん中を締めざるを得ない。放っておけば見逃さずに前を向いてくるプレイヤーだからこそ。
またこの試合では連続してワンタッチで繋ぐシーンも結構見られた。常に後ろ向きで背負う味方に対して、前向きのサポートを作れるだけの配置の良さと予測が生み出すパスワーク。
ワンタッチで渡せる相手が居るならば、相手にマークされていてもミスしない限り奪われない、というのがサッカーにおいて結構大事なので覚えておくと面白いと思う。似たようなところで、垣田へのパスがヘディングではなくゴロや胸の高さのパスへ変化していったこと、また垣田も動きながらスペースで受けることで確実に繋げていたこともかなり良い工夫だったと思う。
柏が保持して押し込む、そのメリットはただ攻撃できるだけではない。
相手が全員守備せざるを得ないぐらいまで押し込む、あるいは人について行く意識の高い広島に対して動いて入れ替わることで配置を乱す。その効果はボールを奪われたとき、どっちの配置がバランス良いでしょうか?という面で優位を握れる。
先に、
ただしそれは、低い位置でボールを失ったらピンチに直結する、というリスクを背負うからこそもらえるご褒美であり、怖いからロングボールで逃げよう!とやっていては成り立たない。そういう形でピンチを迎える、あるいは失点してもそういうスタイルなのだ!と受け入れる覚悟が必要だ。
広島の切れ味、そして理不尽力
東のゴールに関して言えば、犬飼をつり出す形で右サイドを崩したこと。またWB→WBというのは広島の十八番パターンであり本来は久保が見る場所。なんだけど犬飼が大きくつり出されたことで、中に一つずつマークを絞った結果大外が空いてしまった。なのでシュートそのものは超ゴラッソなんだけど、おそらく再現性はあるし、あれだけフリーでクロスを受けられればプロは仕事するぜ、ってことだと思う。
またこれだけの日程をこなして、かつ保持を許しても落ちない強度の高さと崩壊しないバックラインの硬さは間違いなく今季も広島のストロングポイントであろう。また柏がある程度配置で優位を取って前進していくスタイルであり、そことの対比で輝くようにチャンスとみればどんどん飛び出していく広島の推進力は目を見張るものがあった。
また飛び出しとスピードでバリューを見せる中村ジャメ、運動量豊富な川辺というメンツが居る中でバランスを取りながら中盤としての動きもゴール前の役割も両方こなす加藤の万能差は更に進化を遂げているように見えた。以前までのストロングポイントに加えて保持がより磨かれたら、更に広島は一段階強いチームになるだろうし、その片鱗は存分に現れた試合だと思う。
その他気になった、面白かった点
- 古賀の、パスを出した後に行うポジションの取り直しがとにかくこまめ
- 中島の視野と落ち着きは超ハイレベル、だがそれ故に後半柏の選手は意図的に持たせて奪いに行く、という雰囲気もあった気が
- 失点に繋がるロストは相当悔しいだろうなと思いつつ、攻撃では一番存在感があったので生で見れて良かった
- 両チームの交代によって生まれた高さのミスマッチ、新井vsジエゴをもっと使うかな?と思ったがあんまり見られず
- 現段階ではとにかく保持前進を目指すというチーム作りなのかなあと思ったり
- この記事を書いた一番の理由は、守備にも保持ってメリット沢山あるんだぜ!というのを柏サポに伝えたかった、という点が大きいです
- と同時に広島が本当に強かった、というのも
- 柏サポ目線、本当に広島怖い
- 無から点を取れる、アバウトな攻撃でもチャンスを作れる、その上保持できるような進化も見せ始めている
- 押し込んでいても安心できないチームというのはホントに怖い
- で、中村君まーーーじで速かった
- この記事は細かい配置のあれこれより、試合の全体感をわかりやすく伝えたかったので図とかなしで書いてみました
- そこら辺が気になる人は、Jリーグ全部見るマンのXに図がいっぱいあるのでどうぞ!
- 貼っておきます
#広島柏 サンフレのプレス回避/保持とレイソルのプレス。ムツキが上手くポイントを作るためにしゅんきが斜めに入ってピン止めする形、はやおの列上げでCHに影響を与えとった。これで洋太朗のプレーエリアを作れとったし、洋太朗がゲームを作れる大きなポイントになっとった!#サンフレッチェ広島 pic.twitter.com/ov0pHLaRHJ
— のぶや|J1全部見るマン| (@soccer_bunseki) March 17, 2025
- サンフレは強度こそ凄かったんだけどボールタッチとかでやっぱり疲れを感じる部分はあった、本当に過酷な日程お疲れ様でした、凄い本当に凄い
- 広島としてはこの日程を負け無し、かつ五分五分の試合で終えられたこと、柏としてはリーグ屈指のプレスを誇る広島相手に保持で戦えたこと、お互い手応えと課題を持ち帰る好ゲームだったと思う、見てて超楽しかった
店名「すみすみ」
— 山田有宇太 (@Grappler_yamayu) March 16, 2025
初めて入った焼き鳥屋だったんだけど、喫煙可、1本1本のデカさ、炭の香り、全てが最高でした。良い試合を見て美味い居酒屋に雪崩込むほど幸せな日常もない。街中スタジアムに感謝。 pic.twitter.com/BFGvVUaMNp
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