本日2023年6月18日、なでしこリーグの2部を観戦してきました。
自宅から車で40分ぐらいのところで試合があるから観に行ってくると嫁が言ってたので、じゃあ一緒に観に行きたいなと観戦へ。
久々にこういったディヴィジョンのリーグを見て色々面白かったのでなんとなく書き残しておこうかなあと思います。つまるところホントに日記です、Weblogです、ブログです。
女子サッカーのリーグ構造
まずもって現在女子サッカーのリーグ構造がちょっと複雑なので、そこを抑えなければなりません。
Wikipediaの表が分かりやすかったので、こちらを引用させていただきます。
Wikipediaより引用
今まであったなでしこ1部、2部の上にWEリーグが新設されたというイメージがわかりやすいと思う。
で、名称にプロと付いているのはWEリーグのみ。
これを男子に置き換えるならば、WEリーグがJリーグ相当、なでしこリーグはJFL相当で2部制と考えるといいのかな。
なでしこリーグからWEリーグへの昇格は申請が受理されるかどうか次第ということで、なでしこリーグのチーム達はアマチュアリーグで戦いながら金銭面や集客面を強化しつつ参入を目指すこととなる。
23-24シーズンからWEリーグへセレッソ大阪のレディースチームが参戦することが決まるなど、Jクラブを母体とするチームはハードルを超える可能性が高いと言えそうである。
今回観戦した「ディアヴォロッソ広島」とは
観戦しに行ったチームは、ディアヴォロッソ広島。
2019年に結成された、まだ4年目の若いチームだ。
広島県内の女子サッカー事情は結構大変で、つい数年前にも「アンジュヴィオレ広島」というチームが活動を休止した。
ディアヴォロッソも同時期に監督選手が大量流出し、活動しないのではという話があったがなんとか活動を継続、というより体制一新から第二期のような形で活動をしているらしい。
4年目にしてあまりにも波瀾万丈だなあと思いつつ、せっかく見に行ける範囲で活動しているなら応援したいと思い、このたび観戦に行ったという感じ。
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当日はスタメン11人にベンチが4人という人数としてもなかなか厳しい状況。でもアマチュアでありながら本気でスポーツを続けるって超大変だし、ましてやプロの数が少なくこれからの発展を目指す女子サッカーであればなおさらだと思う。プロを諦めないなんて凄い!といくら言われても現実は現実としてそこにある。
試合展開
感想としては、相手が強かったなあと言う率直な印象。
全然試合に関して情報を集めずに向かったんだけど、対戦相手は古豪、岡山湯郷ベル。
全然女子サッカーに詳しくない私でも名前を知っているぐらいだからぶっちゃけなでしこ2部に居るなんて全く知らずびっくり。
岡山から広島は近いこともあり遠征サポーターが多いらしく、観戦無料とは言え両サポーター合わせると結構な人数が見に来ていてびっくりした。
キッチンカーも3台ほど出店していた、せっかくなのでクレープを食べる、ダイエット中なんだけどホイップクリームの魔力には誰だって勝てない。
岡山はサポーター集団という形で遠征してきたようで、集団で声を出して応援。Jリーグで聞くチャントよりも太鼓の音が丸く、テンポも少しゆっくりでどこか牧歌的な、だからこそ文化としてチームが生き抜いてきたんだろうなあとちょっと思いを馳せちゃうような応援。
対してディアヴォロッソはコールするサポーターが一人太鼓を叩きながら懸命な応援。これもまたサポーターの形なんだよな、とこれまた少し幸せな気持ちに。
こういったサポーターの姿というのは、なかなか目にすることがないからこそ見ると熱いなあと感動する。
試合展開としては質的優位で全体的に主導権を握る岡山に対して、4411ブロックを引きながらカウンターを狙う広島という展開。
早い時間帯に、広島が裏へ蹴ったボールに対して岡山がコミュニケーションエラーを起こしてしまい、プレスをかけていた広島が先制。守勢に回る広島としてはこれ以上無い形で先制点を取るも、岡山がかけ続ける圧が実って1-3と試合をひっくり返した岡山が勝利。
岡山の10番がとにかくべらぼうに上手く、ちょっと別格だなあと思って調べたら元代表、ドイツのフランクフルトやアメリカのワシントンでプレーしていた横山久美選手でびっくり。
バチクソかっこよかったし、1人で3人をPA内でぶち抜いたり保持前進が詰まったらささっと降りてきたり、もはや貫禄を見せ付けていた。マジで凄い。
とはいえあらゆるリソースが岡山に対して厳しい中で可能性を感じさせ、なによりやれることを必死にやり続けた広島も良かった。がっぷり4つという展開ではないが、それでも好ゲームだったと素直に思う。
アマチュアリーグの空気が懐かしい
散々自分の経験をこするようであれなのだが、やはりアマチュアリーグというのは良い、と改めて思う。
アマチュアにはプロのような華やかさはないし、選手の質やプレーの凄さでは勝てない。
けれどもそこにはプロと違う形の情熱があって、華やかさと対極的な生々しさがあって、人々の生活がそこにある。
スタンドには選手との顔見知りが多く、観客席のすぐ外では選手とサポーターが写真撮影をしていて、テントやゴールの撤収作業も選手含めてスタッフ総出で頑張って。
サッカーってこんなに身近な物なんだな、華やかな世界だけじゃ無くて自分たちが生活している空間の地続きになってるんだな、ということを再確認した。
やっぱりこういう空気にしかない、文化の卵というか、これから生活の一部になろうとしているスタートアップの逞しさってのは心にガツンと響くよな、なんてことを考えていた。
超私事ではあるが、筆者は数ヶ月前に転職をした。スタートアップから事業を拡大しつつあるという状態のチームに誘っていただき、現在仕事をしている。
そこには今まで経験したことの無かった前進するためのエネルギーと、一方で整備がまだ進んでいないカオスが同居していたのだが、何故かその空気にすんなりと馴染むことが出来た。
今なら分かる、地域リーグで選手やってた頃と同じものなんだよな。
なんとか現状を変えなくちゃいけない、前に進まなくちゃいけないという使命感や熱意はあるが体制リソース支持、色んなものがまだ付いてこない。これから自分たちで切り開く上に、多くの人を巻き込まないと達成出来ない遠い目標を目指す。
そんな集団は独特な熱と雰囲気を持ってるし、たとえピッチと観客席で距離を隔ててもどこか伝わる物がある。
ただこれは、映像や写真ではどうしても伝わらない。
だからこそ、なるべく多くの人にアマチュアリーグを観に行ってみて欲しいなとずっと思っている。
それも出来れば、アップより前。会場設営ぐらいからずーっと観てみて欲しい。
たぶん、見たこと無い人には衝撃的な光景がずっと目の前にあるから。実際初めて見に来てくれた人はそう言ってた。
こういう試合を見に行くと、サッカーという競技に抱く感情がちょっと変わるんじゃ無いかと思う、大袈裟では無く。
別に筆者はサッカー界の今後を憂う気持ちも無ければ、日本サッカーの強化なんて大それたことを思うつもりも無い。
ただ、あまりにもサッカーが手の届かない世界になるのは嫌だな、とはずっと思っている。
大観衆に見られながら、超一流が試合をする。
それだけじゃないんだぜって、もっと手の届くところにサッカーはあって、もっとプレイヤーが一杯いて、サッカーで飯食うだけが競技じゃ無いんだって色んな人が知って欲しい。もっとサッカーに振れることが絶対楽しくなるから。
ということで、女子のなでしこ2部を見てきた感想でした。
おまけ
この試合を見ていて、ディアヴォロッソ広島の17番、杉岡選手のファンになりました。
中盤でよく走る、特に誰かが走らないと駄目なんだけどみんなしんどい、って場面で真っ先に走れる。勝つという事に対する欲が見える選手ってすげー好きなんですよね、442のCHとして見てて楽しいし。
と思って調べたら名門日ノ本学園出身、なるほどというメンタルの強さと貪欲さでした。あのメンタル、俺も欲しいなあという学びを得ました。強者のメンタリティの一端を見た。
ということで、近日「勝者のメンタリティ」というふわふわ扱われがちな言葉を本気で文章化しようと思ってます。
「勝者のメンタリティ」とか「流れが悪い」とかって俺はある程度ちゃんと説明出来るものだと思ってるし持論はあるんだけど、いかんせん勝者側に回ったことがないから実行する側の経験が無い。けど文章にしたい。
— 山田有宇太 (@Grappler_yamayu) June 18, 2023
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