「プロサッカー選手の凄さ体験イベント案」を勝手に考えてみる

2023年8月2日水曜日

Jリーグあれこれ エッセイ的なもの

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元々サッカーを本気でやっていた身からすると、どうしても観戦中に言えない、思わない言葉がある。

「下手くそ!」

という言葉だ。俺は絶対に言えない。


だいたいしょうもないミスが起きたときは「もったいない!」とか「出来るんだからやろうぜ・・・」みたいな気持ちになる。


なぜか。自分が人生を懸けて挑んで、届かなかった舞台にその人達は居るから。
どれだけレベルが高いのか、身をもって敗北の味と共に知っているのである。


ところが結構この凄さというのが伝わってない、ということを最近思う。


特にサッカーという競技は人気も相まって、未経験のファンが多い。
これは悪いことでもなんでも無いのだが、凄さが想像つかないというのはちょっともったいないなと考えるようになった。


サッカーの観戦は基本的に遠い、というのもある。ド派手なミドルシュートや超絶テクのような分かりやすく凄いシーンが少ないという競技特性も有ると思う。
これが例えば野球なら球速やホームランという明確な見所見せ所があるわけで。


ということで、Jリーグ中断期間にふさわしい記事を書こうと思いました。

この期間に、ファン感やイベントがあったJクラブも多いと思います。そんなことを知った上でこの記事。題して、


「プロサッカー選手の凄さ体験イベント案」を勝手に考えてみる


はい、ということで行ってみましょう。


前提→参加者は負傷に関する承諾書を書こう


バンジージャンプとかに参加するとき、負傷しても自己責任ですという書類を書くと思います。一応体を動かすイベントなので、これを書いてもらいます。

なのでこれ以降提案する物に関して
「怪我しそう!」
という感想は無しでお願いします。マジで。


①鳥かご(ボール回し)の鬼をやってみよう!


まずはこの企画。
みなさんも練習や試合のウォームアップで見たこと有ると思います、鳥かご。
最近は「ロンド(輪舞曲)」なんて言い方もだいぶ浸透しましたでしょうか。たぶんペップのせいです。

こういうやつ。


今見てもこの頃のバイエルンロンドは芸術・・・
ということで、これを選手にやってもらってボールを取りに行きましょう。
たぶん取れません。人数を4vs2とかにしても相当厳しいです。

つまり、普段何気なくやってるパスとコントロール、それだけでも彼らは神業レベルのことをやってのけているのです。

その凄さをどう知るか。振り回されるしかないでしょう!

ただやるだけじゃ面白くないし、1分交代制にしてボールを触れた人にはスタグル無料券プレゼント、なんて形にしたらより盛り上がるのでは。


②ロングキックを受けてみよう



選手が何気なく蹴るロングボール。あれも実はとんでもない技術です。
そもそも慣れてない人はボールを真っ直ぐ転がしたり強く蹴るのも難しい。けどプロは当たり前のように50m以上蹴っ飛ばすし、だいたい半径3mぐらいの誤差で蹴ってきます。

なので、その場にいるだけで50m以上離れたところから正確に飛んでくるロングキックを受けてみませんか。絶対感動しますよ。
別に足や胸でコントロールなんてしなくて良い、キャッチするだけで良いです。

もっと言うと、運動が苦手で怖い、という人はキャッチ役を誰かにお願いしてすぐ横で見てみましょう。自分に目掛けて遙か遠くからボールが正確に向かってくる感覚は良い物です。

日頃スタンドやテレビ越しにしょっちゅう見るロングボール、それも一つの神業と言うことを是非知って欲しい。


③フィジカルコンタクトをやってみよう


肩と肩で正当に真横から接触する、これがいわゆるコンタクトです。
サッカーは体と体をぶつけて戦うという格闘技的な側面を持っています。
この強さ、体験してみたくないですか。

軽くコンタクトの基礎を教わって、選手を吹っ飛ばすつもりでタックルしてみましょう。たぶん跳ね返されます。
プロ選手というのは技術ももちろんですが、身体能力も基本的に怪物しか居ません。プロの世界では足が遅い方、なんて選手も一般人から見たら超俊足だったりするわけです。

その化け物っぷりを体をぶつけて味わえる。こんな贅沢は無いですよ。

ちなみに僕は高校時代、現在テゲバジャーロ宮崎に所属する山崎亮平選手が練習に参加してくれたことがあって、がっつり挑みました。
助走を付け気味でコンタクト勝負を仕掛けたのに、マジで跳ね返されました。映像をもし録画していたら「バイーン」って効果音が付くぐらい跳ね返されました。
横浜FCで三浦カズさんとコンタクトしたときも「カチカチやん・・・」って思い知らされたり、この肉体勝負を味わえるイベントなんて素晴らしいと思いませんか。


④プレッシングの速さを体験してみよう


パスが出る前はDFと距離があるのに、パスが動いている間に詰められる。
これ、サッカーの守備における大事なルールなんです。ボールが動いている間に詰めよう、という。
このスピード、マジで恐怖を覚えるレベルです。
なので、その恐怖を思い知ってみませんか。

選手達は日頃からプレッシングのスピードを意識してトレーニングしています。
で、相手の前で止まるところまでやってます。試合前のアップでよく見ませんか。
パスを出す→出した相手にプレスをかける、そこで止まる。みたいな動作。

あれを体験してみましょう。

怖いですよーーー、ごっつい選手が全力で間合いを詰めに来る迫力。
彼らは毎試合毎試合この圧力を受けながら涼しい顔をしてパス回しをしているのか、と驚愕すると思います。

これに関しては、参加者さんは立っているだけで良いです。そのまま全力でアプローチをかけてもらいましょう。

あるいはパスを受ける前に後ろを見て、距離があることを確認してからゴロパスを受けても良いですね。
パスが転がっている間に背中から選手が襲いかかってくる経験は絶対出来ないです。
そりゃ圧力、プレッシングって呼ばれるわ・・・と納得すること間違いなし。


⑤ジャンプヘッドやGKのジャンプを目の前で見よう


ロングキックやセットプレーの度に、選手達は全力で空中戦に挑みます。
実はあのシーン、尋常じゃ無く高い位置でやり合っているんです。
といってもなかなか想像つかないですよね。

なので、真横でジャンプヘッドやGKのハイボールキャッチを見てみましょう。
ホント真横50cmぐらいの距離で体験してみませんか。
よく言われる「空中で止まる」というのが間近で見るとどういうものか理解が進むかもしれません。
ただ上に飛んでヘディングする、そんなシンプルな動作ですがこれもまた神業なんですよ。
自分の最高到達点を把握し、ボールの軌道を正確に予測し、最高到達点でボールを触れる間合いとタイミングが体に叩き込まれているからこそ出来る芸当であり、高く飛べるだけの超人的な身体能力が無ければ成功しません。

決して派手なプレーでは無いだけに、間近で観て欲しい。


⑥ピタリと止まるファーストタッチを目の前で見よう


もう一個、最後も見るシリーズです。

ここまでのイベントで選手の身体能力がすごいこと、ボールを蹴っ飛ばすのは大変だしパワーが要ることが体感できています。
それだけの運動エネルギーを持って飛んできたり転がってくるボールをピタリと止めるファーストタッチ。これはもう芸術というしかありません。
これもねー、カメラ越しやスタンドからではなかなか伝わらないんですが、まさにボールの勢いが死ぬんです。
僕は現地観戦の時、毎回毎回ウォームアップのパスを見るのが好きで溜まりません。それはその足首から下に魔法がかかっていて、ふわっとボールが止まる様子が生で見れるから。

スタンドからでもそれだけ感動できる地味な芸術、一回目の前で見たいです。これは完全に俺の欲望です。


あとがき



もちろん簡単に選手とサポーターが接する機会を作るわけにはいかない。それは分かっています。難しいと思います。
でも、体験してみたいよねえ・・・

というのがこの企画の趣旨その①。

実はもう一個趣旨があって。

本当にプロ選手は凄いんです。J3ですら怪物まみれです。もっというとJFLも地域リーグも、みんなが思っているより遙かに高いレベルで行われているんです。
その凄さはこういう細かいところからも見えるんだよ、というのが伝えたかった。

僕は毎回サッカーを見る度にどこかで感動しています。
それは俺が出来ないことを当たり前のようにやるから。それがどれだけ凄いことなのか分かるから。
その気持ちがちょっとでも伝わればいいな、と思って衝動的に記事を書きました。読みやすいようにイベント風にしつつ。

でもホント、どこかこういうイベントやりませんか。絶対応募するよ俺なら!

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