2024 J2 第2節 栃木vs山形ざっくりレビュー(図無し)

2024年3月6日水曜日

2024J2 モンテディオ山形 栃木SC

t f B! P L

先週に引き続き、今週も「栃木のレビューが読みたい」というリクエストをいただいたので2節目もかいていこうと思います。

前節の山形は見れていないので初見。2節見てる分、栃木の変化にちょっとフォーカス気味の文章になるかもしれません。

なお、あまり時間を取れなかったので今節は初期配置以外図無しです。

あと今回だけ試験的にちょっと文字を大きくしてみます。どっちが読みやすいんだろうか。


配置


山形の配置はざっくり4123、アンカーを置きながらウィングで横幅を確保するスタイル。

対する栃木はDAZN上でかたくなに3バックとして紹介されていたが、おそらく4141というか41212というか、中盤をダイヤモンド型にした2トップスタイル。


栃木に見えた変化と前半20分までの出来


開幕戦は352、バックラインはしっかり作って構えるから実質532気味になっていた栃木だが、この試合では中盤の人を増やす配置になった。

どこまでが監督の意図したところなのか、というのはレビューを書く上で慎重にならないといけない。全然狙って無くて結果そうなっただけ、ということも往々にしてある。だからこそ、なるべくピッチ上で起こっていた現象をしっかり見るというのが私の目標。

ということで、この試合と開幕戦を比べたときに栃木に起きていた変化はいくつかある。

まず一つ目が、なるべく前線から圧をかけようという動きが見られたこと。

序盤から大島が高江を、佐藤が高橋をマンツーマンに近い形で監視する。そこで山形の保持を阻害しようという動きが見えた。で、中盤残りの2枚は可能であれば山形の中盤を捕まえに行く。
結果、CBが一枚余って相手の逆SBを捨て、残りはなるべく捕まえたい、2CBに2CFでプレスをかけたい、という姿勢に見えた。一番遠い選手を捨てて前から捕まえに行く、というのはプレスをかける上での鉄則の一つである。

前節が低く構えて耐えようとしていたところを崩されていたのもあり、前から圧をかけてカウンターを目指すような守備に見えたし、前半20分付近まではそれがだいぶ良い出来で表現できていたのではないだろうか。

そしてこの姿勢によりもう一つ生まれたメリットが、前節でほぼ見られなかったセカンドボール、こぼれ球の回収率が上がったことだと思う。

ちゃんと居てほしい場所に人が居る、というのを実現できてきたからこそセカンドボールに対しても人をかけられるし、最前線へボールを放っても中盤がついていきやすい。縦に早い攻撃を志向する場合、ロングボールを跳ね返されたときのセカンドボールが拾えるかどうかで自分たちの時間の有無が大きく変化する。その意味合いでもいい変化は起きていたと思う。

山形の対応力とリソースの差


一方で序盤はリスクを嫌いロングボール中心だった山形も時間が経つにつれて徐々に対応していく。

人についてくるなら動いてスペースを空ければ良いじゃない、とマンマークの相手を引き連れて大きく動いてみたり、2CBに2CFがプレスをかけるならGKを入れて3vs2で回せば取られないじゃない、とがっちり保持してみたり、相手を観ながらプレーするのが上手だなという印象。

山形が同点に追いついた場面も、まさしく栃木が捨てていた大外を利用したゴールだった。

そして徐々に試合の中で、選手個々の能力差で殴るような場面も見えるように。栃木としては同数でしっかりプレスをかけることが出来ているのだが山形の選手は失わない、とか。
そんな中でまさしく個々のクオリティで殴りきったのが2点目。全員1vs1でマークはつけていたのだが個々のスキルと駆け引きで山形が勝ったようなゴールだった。あのヘディングもクロスも超絶上手い。

相手の様子をうかがうことにストレスが無く、でも前線はマンパワーもスピードも確保できている、万能性を感じる編成とチームビルドだなと素直に思った。

丁寧にやりきる山形、希望を感じさせた栃木


試合を通して山形は、GKを交えて保持を目指す、けどロングボール禁止でもなくチャンスがあったりリスクがあれば迷わず蹴る。しっかり相手を観ながら何が効果的か探る、というのを丁寧に行っているチームに見えた。栃木のプレスも決して悪くなかったと思うが、怖がることなくプレスと向き合い、剥がすことで逃げなかったご褒美を得ているという。

渡辺監督っぽいなーという漠然としたイメージを持ちつつ、これから先リソースで殴られそうな上位チームとの対戦が楽しみ。個々の殴り合いに持ち込ませず、配置と保持で戦う姿が見たい。

一方の栃木は2戦連続の3失点という字面で見ると苦しい状況だが、スコアほど悲観する必要は無いと思う。
PK失敗も含めて、前節より得意とするロングカウンターを発揮できたし、それを実現するための非保持時の圧力が出せるようになってきた。正直に言えば、後ろ5枚で構えるよりこちらの方が可能性を感じる。ただ上手いチームほどマークを捨てた場所の利用が上手なので、そこに対してどう対応するかというのは問われ続ける。

ただひたすら自陣へ閉じ込められた岡山戦と比べればチャンスも作れていたし、意志の共有も出来ていたし、という気持ち。

秋田とバッチバチにやりあう試合とか個人的には見てみたいです。

気になった選手


個人的に気になった選手は、山形の高江選手。
自分に対してマンマークがいる状況で、バックラインに降りて(サリー)マークの基準点をずらしてみたり、あえてポジションを上げていくことでスペースを提供したり、インサイドハーフとのパスコースを気にしていたりと地味ながら良い動きをひたすら繰り返していた。
ジョギングでずーっとポジションを取りながら効果的な動きを取る、というのはアンカーにとって超重要能力なのでちょっと今後注目してみたい。

栃木では今更かもしれないがやはり矢野貴章。どうしてもフルネームで呼んでしまう、そしてレイソル歴があるのでうちの子だと今でも思ってます。
ヘディングで競らせるよりも、グラウンダーでスペースに転がした方が活きるかもなとこの試合を見て思った。DFをブロッキングしながら走る技術は高度だし、PKを獲得したシーンなんかはかなり難易度の高いコントロールなんだけど胸や肩を使うのがこれまた上手。年齢もあるのでずーっと起用するのは疲労の関係上難しいかもしれないが、欠かせないパーツと言って良さそう。


ということで、駆け足ながらレビューしてみました。もっとたくさん見てたくさん書きたいんだけど仕事や諸々でちょっと大変です。でも今年はしっかり頑張ります。

QooQ