【見てすぐ書く】2025 J1 第4節 マリノスvs湘南「プレスの誘導先をどう避けるか」

2025年2月28日金曜日

2025J1 横浜Fマリノス 湘南ベルマーレ

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新しい勉強として、あと今シーズンはたくさん書こう!という気概を込めて、見てすぐ書くという試みをやってみようと思います。
最近はこういった感じでいろんな書くまでの過程だったり書くときのテーマだったりを変えています。それが自分の勉強にもなるし、読む側にとってもなんかいいことあるんじゃない?という気持ち。ここら辺の試行錯誤に関しては別途記事としてまとめておきたい気持ちもありつつ。

ということで、今回見たのは3戦3勝と絶好調の湘南が見たくてこの試合に。ちょっと仕事が立て込んでて見たい試合がなかなか見れて無かったので、両チーム共にちゃんとフルで見るのはお初です。

ストーブリーグの情報を全く追っていない人間なので、監督を調べるところから。
マリノスのホーランドさんはイングランドの代表内での活動が多かったんですねえ。全然知らなかった。ここまでは1敗2分と勝ちがない状態。我慢のシーズンが続いている印象が結構あります。




前半

湘南は前線からプレスの圧を欠けると言うよりも、マリノスに対して明確に奪いどころを設定しているような印象。ボールを取り上げるのではなくジリジリと限定、中央からSBへパスを誘導し、SBから斜め前へ出るパスのところで一気に奪う回数が結構あった。特に植中がこの展開から潰される回数が多く、ここで引っかかって前進しきれず押し込まれる、というのが湘南が押せ押せでマリノスがチャンスを作れなかった要因だと思う。ある程度低い位置ならクリーンに持たせても良かろう、という割り切り。




あとこのパターンに限らずだが、湘南はプレスバック(前が戻ってきてのプレス)で挟み込んで奪おうという意識が強かったし、挟み込める位置を全員が共有できてて前半は特にハマっていた。前線から追い回さない分ここに強度を出す、ということかもしれない。
逆サイドだとエウベルは技術を活かしてここを独力反転から一気にチャンスに繋げられるシーンも作れていたが、植中はタイプや特性も含めてちょっと苦しんでいたように見える。

一方湘南の攻撃はWBから裏へのパス、そこにシャドウを中心としてガンガン走り込むことで深さを確保するシーンが多かった。畑、藤井という快速プレイヤーをピン留めに利用することでスペースを他者が活用する、という構造はなかなかに厄介。前半の決定機を1つでも決めていれば試合の展開は変わっていたかもしれない。



事象としては非常にシンプルなんだけど、湘南が偉いなと思ったのはこの事象よりも、それが出来る状態を作るところ。つまり、WBが前向きでボールを保持できる状態を作れるだけの保持がちゃんと行われていたところ。受け手の判断としてワンタッチではたくべきパスなのか、ターンして逆を向くべきなのかという判断が適切、また出し手もそれに沿ったパスを出していたように見えた。ターンすべきパスならコントロールしやすいし、ワンタッチではたいて欲しいならややパススピードが速い、みたいな。それでもめげずにプレスをかけ、自陣まで戻って守備をし、ボールを引き出そうとあれこれ模索する植中のタスク量は危険手当出してあげて欲しいぐらい忙しそうだし疲れそう。

そんなこんなで湘南が試合を握っていた中でセットプレーからマリノスが先制。やはり文脈を無視できるゴールというのは偉大である。



後半


マリノスは前半狙い所に設定されていた斜めのパスを辞め、ボランチを経由してゆさぶるように変化していた。ベンチからの伝令なのか選手達の判断なのかは知りません!僕に出来るのは試合中に起きていたことを観測するだけ。ただここら辺は監督コメントやインタビューで一部ネタバレすることもあるので、気になるサポーターの人はそういうところを拾っていくと面白いと思います。

より具体的な話をすると、斜め前のパスしか無くなる前にボランチを一度経由したり、近い距離で当てて落とすことで奪いどころを回避したり。
その中で渡辺がいろんな顔の出し方をして潤滑油として動けていたし、植中がそのためのスペースメイクに気を使っているのが上手くいった要因にはありそう。

湘南はプレスの誘導がハマらなくなったことで自陣で過ごす時間が増え、また陣地を回復させる手段もなかなか取れず。こういったときにパワーで時間を作れる選手がいると楽にはなるのだけれども。
マリノスの守備修正としては、より出し手に圧をかけるというところだったと思う。WBにクリーンな状態で持たれると走られる、ならば持ってる人にちゃんとプレスを強くいこうぜ!みたいな。

とはいえ同点のシーンも2列目からゴール前に迫ったことでズレが生じたように、追い越していく動きは衰えることなくずっと機能を見せていた。
あと出し手に対して圧が強まったのを見て、WBを高い位置へ持って行ってロングボールで付けるという修正をやり返した結果、畑はかなり活き活きしていたように見える。

互いに修正をしあった結果、プレスを強めてロングボールで高さを取って、と若干オープン気味というかダイナミックな展開へ変わる。その中でジャンクルードが超いい選手じゃん!となったのでここはちょっと後述。フィジカル含めたマンパワーが強い上でちゃんと保持の判断も出来るので、かなり屋台骨になれそう。

お互いに追加点はなくそのまま1-1で終了。
マリノスの印象としてはもう一点取れれば、湘南としても前半の内に取れていたら、という感覚はありそう。個人的には修正をスムーズに行い盛り返してきたマリノスと、前半苦しみながらもがくことを辞めなかった植中が偉い。湘南は総合力というか意思疎通がかなり出来ているものの、奪いどころを修正されたときに二の矢が出来てくるかどうかは今後見たいポイントかなと思った。もう一度盛り返すだけの変化がなくやや押されながらの後半という印象がどうしても抜けない。ただ強い。間違いなくちゃんと地力がありチーム内で何をすべきか絵が共通で描けている。押し込まれたときの陣地回復にWBをある程度活かしたいが押し込まれると低い位置で守備しないといけないのでどうしようかというのは難しいね。

あと日程として当然なんだけどみんな疲れはありそう。


その他いろいろ


  • ジャンクルードが相当にパワー。実況で名前を呼ばれる度に「ジャンクロード」って聞こえてしまって頭の中にやつがふわっとよぎる。
    • 高さもフィジカルもあり、影響を及ぼせる範囲が広く、技術もしっかりしている
    • おかげで渡辺がある程度解放されているのは大きそう
    • 今年のジャッジ方針との相性も抜群説はあるけど燃えそうなので大きな声では言いません
  • 植中のタスク量とそれをめげずに行えるメンタルはすごい
    • その目の前で明らかに相手ボールなのにスローインしようとする藤井も凄い(ちゃんとカード出た)
  • 湘南の小野瀬も同じぐらいいろいろやってて大変そう。何度もポケット取りに追い越せる強度、凄い
  • マリノスそんなに悪くなさそうなのにダービー何があったのか今日明日のどこかで見ます、書くのは無理かも
  • 湘南を全然見てなかったせいで脳内になかったけど平岡は面白い。ボールを受ける前のステップワークに「上手い奴」感が満載。
  • 何年か前からずっと言ってる畑が、かなり飛躍しそうなシーズン
    • 大外でのパサー、ロングボールでの高さ取りのみならずパスを塞がれたときに内側へのドリブルを選択して力強く運ぶシーンはかなり良かった
    • この二択を突きつけながら戦えるのであればキーマンになる。自身の推進力を内側で機能させるシーンはもっと見たい。

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