2026 J1百年構想リーグ第7節 浦和vs柏「浦和の準備、柏のブレなさと進化」

2026年3月19日木曜日

2026J1 浦和レッズ 柏レイソル

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今シーズン、内容は良いながらも結果という点で苦しみ続けている柏と、波に乗り切れない印象のある浦和。


昨シーズンの0-2から4-2へ大逆転した柏サポにとっては印象が良いだろうし、浦和サポにとってはリベンジだしリカルドも小泉も古巣だし、ということでお互いボルテージが高そうな試合!

なんだけれども残念平日19:30キックオフという、現地で見るにはあまりに大変な日程でした。

結果だけ見るとPKで柏が勝ち、勝ち点2を得たわけですがどんな内容だったかざっくり振り返っていきましょう。

浦和の準備と狙い、柏への影響


浦和は柏に対して、おそらくだけどいくつか明確な準備をしていたように見えた。

一つが非保持、いわゆる守備の局面。
プレスをかけて柏にボールを蹴らせたい、ただし生半可なプレスをかけてしまってはむしろ柏が交わして前進するためそれは避けたい。

ということで、柏の最終ラインに対して人数が揃えばプレスを始めるし、管理しきれなさそう、完遂が難しい状況であれば構えて守る、というメリハリがしっかりついていた。

おそらく理想はオナイウ、サヴィオ、渡邊が出る、という形で、柏の3バックに対して数的同数を作ること。

オナイウが古賀に対してプレスへ行けるか、行ったときに柏の両脇CBである馬場と三丸へほかの選手が出ていけるか、中盤は構えることが出来ているか。

ここら辺を気にしながら浦和はプレスのスイッチを選択し、結果として序盤には圧力をかけることに成功。


また攻撃時は、ある程度保持の姿勢を見せつつ攻め筋のメインをロングボールとすることで陣地制圧を実現していた。

秀逸だったのが、柏が数的同数を作る、つまりプレスのスイッチを入れるまでは保持を目指すし、数的同数を作ったらあっさりと前線へロングボールを入れて陣形をひっくり返しつつ起点づくりを狙っていたこと。

オナイウへのロングボールはもちろんだが、WBや降りていくサヴィオをケアする馬場の裏だったり、小見vs金子の身長的なミスマッチを狙ったりといくつか設計してるっぽいロングボールの蹴り先が見られた。

で、これを怖がって構えればたぶん保持するし、人を捕まえに行かないと根本→サヴィオのような打ち込みだったり、ちょっと捕まえ方をミスすると安居→石原の縦縦に繋ぐ前進だったりと、保持もある程度出来るんだぜ!と見せてたのが大きい。


これに対し柏も対応を見せる。

浦和の守備に対しては、中盤の選手が列を降りたりレーン(横)への移動をすることで時間を作ろうとする。

山内、小泉、原川、馬場といった配置の変化に長けた選手が多いため、マンツーマン守備に対してはやはり引き出しが多い。

ただし浦和の攻撃に関してはだいぶ手を焼いていた印象もある。オナイウに対しての守備は古賀が素晴らしい対応を見せ続けていたが、それでも起点として機能はしていたし、WBがどこで守備するのかというのは難しそうな部分でもあった。前に出ると裏へ蹴られ、引きすぎると降りてボールを引き出される、みたいな。


お互いに決定機の数自体はそこまで差がないまま試合が進んでいくが、徐々にペースとしては柏が握る形へ変わっていったと思う。


柏がペースを握れた要因


柏がなぜペースを握れたか、というところで考えると、一つは細谷vs根本のマッチアップでやや優勢を取れていたことが大きいと思う。

背負っても走っても常に五分五分まで持ち込めたここのマッチアップによって、柏は陣地回復を保持前進以外でも実現できていた。ボールを繋がずとも押し上げることが出来るのは非常に大きい。

二つ目が右サイドの攻撃に変化を加えたこと。

もともとは馬場と久保で攻撃をしていたが、この試合の久保は1vs1で突破を何度もする、という体のキレは見られなかった。これは試合後のリカルド監督のコメントでも認識していたよう。

そこに対し、実戦では初めて見る山之内のCB起用で変化を付けたのが大きい。
WBでは「守備の強度が高いがボールを持った時の仕掛けがもう一つ欲しい」という雰囲気だった。ぶっちゃけ久保小屋松という1vs1に強いWBがいたからこその物足りなさではある。

ただこれを超攻撃的CBとして起用することにより、オフザボールでの推進力を活かすとともに、久保が山之内の発射台として機能することで、右サイドの攻撃が活性化したように感じた。

これは保持前進においてボールを持った時の判断やパスを引き出す動きに長けた原田、馬場とも違うキャラクターとして今後選択肢に十分入ってくるクオリティなのではないかと思う。

とにかく点を取りたい柏は古賀と三丸を最終ラインとして、残りで総攻撃をかける。

なお中盤が降りて人数が足りていれば三丸もガンガン前に出るため、明確に残るという役割よりは、2枚最終ラインに居れば良いんじゃない?という雰囲気もありそう。人じゃなくて場所でタスクが決まっている、という例として分かりやすい。

それに加えて前半から繰り返された柏の保持により徐々に浦和の体力が削られたこと、またオナイウに代えて肥田野を投入したが起点が作り切れずキーセテリンを投入するに至ったことなどもあると思う。

おそらく肥田野は裏への走りで起点や柏の守備ラインを押し下げることが狙いで起用されたと思うんだけど、それが機能しきれずに電柱役が出来る選手を投入するしかなかったのかな、という意味では属人的、かつ時間制限のある攻め手だった印象が強い。

これらの事象により、柏が推進力を持った上に浦和としてはボールを奪った後の起点づくりの難易度が上がってしまった、という出来事が重なり、柏が押し込む展開になったのではと考えている。

柏は決めきることが出来ず、また浦和が最後の最後まで守り切った形にはなったが、試合全体の流れや決定機の数を考えると、柏が決めきれなかったと表現される試合になりそうだな、と思った。

PKは省略。浦和の旗がすげーーーー!という印象でした。


浦和の根本について

根本はこの試合大変だったなーと思う。守備では理不尽力と起点作りに長けた細谷のケアを常にしたうえで、個性として認められているであろう配球で価値を発揮しないといけない。

で、この試合に限らず根本を見てて思うことがあって、

「もうちょい勝負パス減らしても良さそう」

というところ。

例えばそこまで相手が片方のサイドに寄ってないのにサイドチェンジを狙ったり、かなり成功率の低そうな縦パスを刺しこもうとしたり。

キックの精度が高いからこそ、通せるかもとパスコースを見つけられる選手ならではだったりするんだけど、全部が全部狙わないほうがむしろ価値を高めそうだなーと思ったりする。

ここぞ!というときに発揮するだけで、相手には負担がかかる、たとえ実際に通す本数が少なくても、という影響力がパサーには存在する。


根本であれば、「あいつにはいいロングパスがある」と認識させるだけで、逆サイドのDFが内側へ絞るのを嫌がったり、また逆に縦パスを警戒して普段より内側に絞ったりという事象が起こる。

そうなったら素直に、相手がやってないことをやればいい。内側へ絞るのを嫌がるなら内側へ食いつかせるパスを出せばいいし、縦パス警戒で中を締められたら外側の選手にさっさと預けて前進してもらう。

というように、自分のパスで盤面を変えるだけでなく、「パスを出せるんだという事実」が配置に与える影響を上手に使えるといいなーと感じた。

あるいは勝負パスを通すために布石として真逆のプレーを入れておく、なんて考え方もある。

1本のパスではなく、もう少し長い時間軸で相手を動かせるようになると、パサーとしての能力が開花しそう。
言い方を変えるなら、キッカーからゲームコントロールできる選手へのステップアップが見たい。そんなことを数試合見てて思った。


柏のブレなさと変化



柏は結果が出ずとも保持前進のスタイルを信じてプレーし続けている。

一方でこの試合では変化している部分もいくつか見られた。

ミドルシュートの意識


まず挙げたいのはここ。今までの試合よりも積極的にシュートが打てそうな場面で打っていた印象が強い。

DHの組み合わせとして中川が前目でプレーする機会が増えたことも影響してるとは思うが、崩し切るだけじゃなくてチャンスがあれば足を振っていく、というのはかなりいいことだと思う。ミドル一発でひっくり返された試合も結構あるしね。

ただ大事なのは、やけくそミドルシュートではなく、あくまでもクリーンに良い距離から打つシュートであること。とりあえず打つ!ではなく、可能性を感じるミドルであればどんどん打っていきたい。

山内、小泉、中川、三丸とキックに長けた選手も多いため、これは継続してほしいなーと思う。
シュートを打つことでDFを引き出す、なんて定説があるが、あれだけ惜しいミドルを繰り返し打てればそりゃDFも必死にシュートブロックに来るよね、そしたらシュートフェイントから崩しに行けるよね、という好循環が生まれることを期待したい。


クロスも割とシンプルに入れるようになった


ここも変化と感じた部分。今までなら後ろに下げてやり直していたシーンでも結構積極的に中へボールを上げていたイメージ。

ミドルシュートともリンクするが、チーム全体として「多少成功率が低くてもチャレンジしていこう」という姿勢が今までの試合より強く見えた、と私は感じている。ただしたまたまかもしれないし、本当にそういう改善があったかもしれない、ここの答え合わせはたぶんできない。

ただ見ている印象としては、そういったチャレンジングなプレーが増えたし、良い影響が出てそうだなと感じたのでどんどん挑んでみてほしいと思う。

島野の落ち着きと安定感


今節でデビューを果たした島野だが、良く周りを見れてる選手だなーと思った。

すぐバックラインに落ちてボールを受ける、という動きがなく必要な場所に居続ける、味方へコーチングして配置を整える、絶対に点を取るという超攻撃的配置の中で両脇のCB山之内、三丸を押し出すためにバランスを取る、という賢さが見て取れた。

ルーキーとは思えない落ち着きと中盤に必要な能力全般が高く見られたため、相変わらず離脱者が多い柏の中盤において、島野が計算できる戦力であると確認できたのは大きな収穫になるのではないだろうか。

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