昨日、J1の最終節が終わり優勝は鹿島、2位が柏という結果になりました。
今日は今日で千葉が大宮相手に0-3から4-3とスーパー大逆転したり、徳島は磐田に対して土壇場で追い付いたり昇格プレーオフや入れ替え戦で大盛り上がりなのだが、J1はひとまずおしまい。
私は柏レイソルファンということで、今年激動だったと言っていいでしょう、レイソルの一年をあえて主観丸出しで振り返るというか、考えてみたいなと思います。
たぶん客観的な話は有名な人がいろんなところでしてくれるでしょう、零細ブログはだからこそ主観丸出しで書くべきなんじゃないかと思っている次第です。
ちなみに今シーズンはもうちょっとレビューを試合数書きたいなと思っていたんですが、公私いろいろあって書けなかったなーとシーズン終わってから公開しています、プロレスにハマったのが原因の一つです、ごめんなさい。
で、一応簡単にまずは私とレイソルの縁というか何かをかるーーく。
柏っ子です
生まれも育ちも千葉県柏市、人生最古の記憶は99年ナビスコカップ優勝の試合現地観戦、という人間なので割と筋金入りだと思います。
柏でサッカーをやっているとどうしたってレイソルは避けて通れないもので。
全日本U-12サッカー選手権大会(俺らの時代は全日本少年サッカー大会でした)でレイソルにぼっこぼこの0-4にされたり、千葉県の決勝がレイソルA対レイソルBだったり。
ほんで私は94年生まれ世代、大谷翔平羽生結弦世代なんですがこの世代のレイソル下部って黄金世代で5人プロになってるんですよね、中村航輔とか秋野とかの世代です。
あと下部出身ではないけど、今レイソルに在籍しているGKの坂田も完全同学年柏っ子なので親近感があります、U-12レイソルのセレクションで会ったのは良い思い出。
うおおお!坂田!
— 山田有宇太 (@Grappler_yamayu) January 4, 2025
レイソルのU-12GKセレクション行ったら坂田がいて、覚えられてて話したのは良い思い出。あれに落ちてから18年、自力でトップチームに来るとは…
柏イーグルス→流経大柏という生粋の地元民、同世代でGKやってたら中村航輔坂田大樹の名前は魂に刻まれてる。マジで頑張れ!!! https://t.co/9imOQeUmgP
という感じで憎きラスボスであり、DNAに刻まれるレベルでずっと応援しているクラブというのが柏レイソルであります。
全てが変わった一年、その始まり。
そもそもリカルド監督のニュースで超仰天したのがこのシーズンの始まりだったなーと今になれば懐かしい気持ちに。
あと地味なところなんですが、通訳に村松さんが入ったのも結構衝撃でした。
バルセロナ系列での仕事を多くされていて、執筆された本も多数。バルサスクール福岡校なんかでの活躍がかなり記憶に残っている方です。
その後、続々と選手獲得のニュースが舞い込んでくることで、「これは本気でリカルドのサッカーを作りに行くんだ」とワクワクしました。
それまでのレイソルの超大まかな流れとしては、
- ネルシーニョ政権の圧力、強度と勝負師能力で戦う
- ユースにかかわっていた吉田や下平を監督に起用し、保持サッカーを目指す
- 実らず、実るまで待てずに迷走の時期へ
- 第二次ネルシーニョ政権もかつての栄光は取り戻せず
- コーチとしてネルシーニョ門下生だった井原が就任するも上積みできずぎり残留
それを今再び、というのもそうだし神戸、広島と強度+個々の能力を発揮するタイプがJリーグの主流になる中でのチャレンジというのもすごいことだなーと思っていました。
そしてこの時点で、シーズン通してチームを支える数多くの新加入選手が決まっていきます。
幸運だったのは、徳島で絶大な信頼を得ていた垣田を2024年のシーズン途中で獲得できていたのもあるでしょう。垣田の働き無しに今シーズンの話はできないけど、在籍自体はリカルドより前からというのも巡り合わせな感じがしますね。
これは面白いことになる、という気持ちが半分、もう半分はチーム作りは大変だから今年は上位半分(トップハーフ)に入れれば万歳、ひとまず残留決めながらチームを育ててほしい、そんな気持ちでした。
ただ蓋を開けてみれば、開幕直後からしっかりボールを持つ形と意志の統一がしっかりされていて、これは今シーズンとんでもないことになるぞ・・・とワクワクしたのをすごく覚えています。
開幕ブースト、対策、そして発展と順応
序盤は大きなモデルチェンジに加え、Jリーグでは珍しい徹底保持型ということで面白いように相手を攻略し、しっかりと勝ち点を重ねていきます。
今日データを見て知ったのですが、今シーズン一番低い順位で5位だったようです。つまりずっと上位グループには居られたわけで、チーム作りに時間がかかるという予想を大きく覆すスタートとなりました。
ただそれでも、対策というのは練られてくるもので。
特に目立ったのは、徹底して前から同数守備を試みるやり方。
特にこの序盤~中期に関してはとにかく保持を徹底する、という意志が強かったこともあり、かなりひやひやすると同時に、リスクとリターンがあまり釣り合わないなという印象も。
ただ今思うと、あえてチャレンジする時期としてやってたのかなーと思う部分もあります。
その理由としては、その後ある時期からロングボールで簡単に陣地を回復させよう、という動きが明確に増えたからです。
保持の意識を徹底的に高めてからロングボールOKが出たんじゃないか、なんてのはもう推測を超えて妄想の域になってしまうんですが、チームとしての戦い方を堅守速攻からボール保持中心に書き換えていくにはそれぐらいの強烈な思想がないと難しいのかもなーと思う部分もあるので、案外あり得ない話じゃないとも思っていて。
ロングボールによる陣地回復というのは、前からプレスをかける強度の高さと合わせて大きな武器になりました。またリスクとリターンの釣り合わない保持と無理に戦わずに、より大人なサッカーを敢行していく大きな転換点はこのロングボール導入だったんじゃないかと。
これにより、ハイプレスに対しても一つの対応策を持ちながら保持とのハイブリッド、というか状況に応じた選択をすることで戦い方の幅を広げていきます。
と同時に、新加入選手だけでなく以前から在籍している選手の適応が進み、試合への出場が徐々に増えていくのもいい変化だったなと。
特に山田、三丸、戸嶋、そして最終盤の細谷あたりは良く適応していったというか、要求されるプレーが大きく変わる中でしっかり積み上げてきたんだなと感じるプレーが多く見られました。
三丸の進化はチームの明るい材料である
他の選手は柏の下部出身ということで保持型のサッカーに馴染みがあったり、もともと持っている特徴として適性が高そうだなとは思っていました。
ただ最も大きな変化を見せたのが三丸だったのではないかなと思っています。
もともとは身体能力を生かした突撃型SBというイメージだったのですが、今シーズンに入って
- ボールを持っての運び出し、縦パスの差し込み
- 内側へ入れ替わったときのプレー判断
- ゲームテンポの調整
こういった選手が出てくることはとても大事だと思っています、これからも見続けたい選手の一人です。
トレーニングでパフォーマンスを発揮すればチャンスがもらえる、というのは今シーズンのスタメンが時期によって大きく変わっていることからも伺えるし、健全な競争が行われていなければここまで良いチームには絶対になっていない。そんなことを三丸のプレーから感じました。
三丸拡の迷いなく振り抜いた同点弾!
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) September 28, 2025
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J1リーグ 第32節
🆚 川崎Fvs柏
🔢 4-4
⌚️ 90分
⚽️ 三丸 拡(柏)#Jリーグ pic.twitter.com/NkKWoD4lsz
あとなにより苦しいシーズンを過ごしながらしっかりアジャストしてエースたる所以をこれでもかと見せた細谷。
多くは書きません、彼のプレーは凄まじかった。瀬川とのコンビネーションも含め、間違いなくレイソルの保持とは違った角度の武器として脅威になったのは圧巻としか言えねえ。最高のストライカーです。
強化部の偉大なる仕事
おそらく、リカルドの就任に伴い選手獲得のリクエストがあっただろうし、それにこたえる形で選手を続々と獲得。
開幕戦のスタメンをここで久々に見てみましょう。
仲間はまたちょっと分類が難しいのですが、それを抜きにしても6人が新戦力にてスタメン、またこの試合はベンチスタートだった渡井も主力としてシーズン通しての活躍を見せています。
シーズン途中の補強も馬場や小西がしっかり出場機会を得る形になっており、打率の高さというか、志向している方向性としっかり一致した選手が獲得されているのが非常に大きかった。
あとは何といっても特別指定でありながらチームの危機を救った東洋大学の山之内。これもターニングポイントでしたね。
時間がかかると思われていたチーム作りが序盤からできていたのはこの選手獲得が大きなウエイトを占めていたはず。しっかりリクエストに応え、選手を取ってきた強化部の功績はとても大きいし、来シーズンに向けてどんな動きがあるのかも楽しみです。
小泉がチームに与えている影響
今のレイソルを作り上げた要因、と考えたときに名前を上げたいのが小泉です。
リカルドチルドレンである、ということ以上に「チームメイトに要求する姿」が個人的には大きくて。
詳しくはショッキングな敗戦となった天皇杯の東洋大学戦のレビューでも書いているのですが、この試合が特に多かったというだけで小泉はずっと周囲に要求を続けています。
もっと運び出せる、もっと前にパスをつけられる、もっと前からプレスをかけたい。
その小泉の要求に応じようとチャレンジすることでチームが成長してきた面は大きいと思います。小泉の要求って技術的に無理なことを要求してなくて、もっと強気にいけるだろ怖がるな、という種類のものがほとんどなんですよね。
ドリブルで前に運ぶことだけならぶっちゃけ誰でもできる、ただ奪われる恐怖、ハメ込まれる恐怖と向き合わなくちゃいけなくて、ただ今までの習慣を書き換えなくてはいけないのである意味技術を付けるより難易度が高いかもしれない。
この要求、そして自らが積極的に挑んでいく姿は間違いなくチームの成長に対して大きなカギとなったのではないなと。
#小泉佳穂 の地を這う強烈なシュート🔥
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) April 6, 2025
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J1リーグ 第9節
🆚 柏vsG大阪
🔢 1-0
⌚️ 65分
⚽️ 小泉 佳穂(柏)#Jリーグ pic.twitter.com/HgIHugePVn
試合終盤に対する絶対的な自信
0-2から4-2へとひっくり返した浦和戦なんかは一つその象徴たる試合だと思っていて。
シュートを撃って外す、というのは見栄えがいいし撃ってしまえばある意味楽になれるんですよね、粘り強くボールを保持するってのは結構しんどいもんで。スーパーゴールを目指してミドルを撃っちゃうほうが考えることも少ないし簡単なんです。
それでも粘り強くボールを回せるのはここに対する自信と手ごたえがあるからかな?と思うことが多いし、インタビューとかでも実際に選手が言及してたりします。
またデータを見ても、76分~試合終了までの最終盤を見ると、
- 得点(多い順) リーグ5位(15点)
- 失点(少ない順) リーグ1位タイ(6点)
- 1位タイの相手は鹿島
残った課題と今後立ちはだかる壁
とにかく個々の能力と強度をしっかり押し付けてくる相手には苦労した記憶が強いです。鹿島、神戸、広島あたりが分かりやすいですかね。あとはちょっと違うけど、圧倒的な強度と練度の守備を貫いた岡山もここに加えたい。
数的同数で常に前線からプレスをかけ続ける。IHやボランチが下まで降りてもついていく。ロングボールに対しても屈強なCBが迎撃してくる。
こういった相手に対してどう主導権を握るか、というのは非常に難しい。グアルディオラが悩んでるぐらいだし。
あとはセットプレーですかねえ、ルヴァンでも狙い撃ちされた記憶が鮮明に残ってて頭痛が・・・
今のメンバーは基本的に保持含めた攻撃を中心に設計されているため、どうしても平均身長が低くなりがちです。もちろんメンバーとして田中、馬場を起用するなどの工夫はできるかもしれませんが、根本的にセットプレーをどうにかするというのは難しそう。それ以上に点を取る、あるいは主導権を握り続けてセットプレーの母数を減らす、という方向のほうが個人的には見たいです。
内容の変化が楽しかった一年だったなあ
だからこそこの一年は、チームの変化を追いかけることがとても楽しかったです。
最初の大きな変化、相手が順応してきて対策してくる苦しさ、その壁を打破する成長。
個人的MVP
個人的MVPは、小屋松を上げたいと思っています。
開幕からずっと試合に絡み続けた数少ない在籍組。かつ去年の苦労する姿をさんざん見たうえでの今シーズンのクオリティ。
前を向いて持たせればサイドで絶対優位を作ってくれる、内側で起用されればパスの出し手としての能力も見せつける。そして試合終盤までとにかく走力も判断力も落ちない。
小屋松、山田に関しては2024シーズンがつらすぎて記事を書いています。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) March 2, 2025
🏆 明治安田J1リーグ 第4節
🆚 浦和vs柏
🔢 0-1
⌚️ 14分
⚽️ 小屋松 知哉(柏)#Jリーグ pic.twitter.com/xXiulhmrbS
来年のハーフシーズンについて
新しいチャレンジに割り切るチームもいるかもしれない、しっかりとタイトルを取りに行くかもしれない。
昇降格がないためリスクのあるチャレンジはしやすいと思うんですよね。
なのでなんにも分からない!というのが正直なところです。ただコンディション等を考えると普段のシーズンよりもいろんな選手が見れる可能性はあると思うので、そこらへんが楽しみ。
何より思うのが、おそらく人生で一回しか見れないフォーマットだと思うのでとにかく楽しみたい!というところ。
そしてその楽しみの中心には、チャレンジを続けるレイソルがいてほしいな、と思います。
柏レイソルについて書いた試合感想文などは以下リンクにまとまっています。
まだDAZNでは今シーズン全試合がフルで見られるそうなので、気になる人は読みながら読んでみてほしいなと思います!以上!
お世話になっております。レイソルの試合と並行して貴ブログの更新を楽しみにしたシーズンでした。来シーズンもチームの成長を鋭くも愛ある分析で彩って頂けるものと期待します。オフシーズンも移籍情報などでひらめくものがありましたらブログの更新をよろしくお願いします。
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