2025年シーズンの柏レイソルを主観丸出しで振り返ってみる

2025年12月7日日曜日

2025J1 柏レイソル

t f B! P L


 

昨日、J1の最終節が終わり優勝は鹿島、2位が柏という結果になりました。

今日は今日で千葉が大宮相手に0-3から4-3とスーパー大逆転したり、徳島は磐田に対して土壇場で追い付いたり昇格プレーオフや入れ替え戦で大盛り上がりなのだが、J1はひとまずおしまい。

私は柏レイソルファンということで、今年激動だったと言っていいでしょう、レイソルの一年をあえて主観丸出しで振り返るというか、考えてみたいなと思います。

たぶん客観的な話は有名な人がいろんなところでしてくれるでしょう、零細ブログはだからこそ主観丸出しで書くべきなんじゃないかと思っている次第です。

ちなみに今シーズンはもうちょっとレビューを試合数書きたいなと思っていたんですが、公私いろいろあって書けなかったなーとシーズン終わってから公開しています、プロレスにハマったのが原因の一つです、ごめんなさい。

で、一応簡単にまずは私とレイソルの縁というか何かをかるーーく。

柏っ子です


生まれも育ちも千葉県柏市、人生最古の記憶は99年ナビスコカップ優勝の試合現地観戦、という人間なので割と筋金入りだと思います。

柏でサッカーをやっているとどうしたってレイソルは避けて通れないもので。

全日本U-12サッカー選手権大会(俺らの時代は全日本少年サッカー大会でした)でレイソルにぼっこぼこの0-4にされたり、千葉県の決勝がレイソルA対レイソルBだったり。

ほんで私は94年生まれ世代、大谷翔平羽生結弦世代なんですがこの世代のレイソル下部って黄金世代で5人プロになってるんですよね、中村航輔とか秋野とかの世代です。

あと下部出身ではないけど、今レイソルに在籍しているGKの坂田も完全同学年柏っ子なので親近感があります、U-12レイソルのセレクションで会ったのは良い思い出。


 という感じで憎きラスボスであり、DNAに刻まれるレベルでずっと応援しているクラブというのが柏レイソルであります。

全てが変わった一年、その始まり。


そもそもリカルド監督のニュースで超仰天したのがこのシーズンの始まりだったなーと今になれば懐かしい気持ちに。

あと地味なところなんですが、通訳に村松さんが入ったのも結構衝撃でした。
バルセロナ系列での仕事を多くされていて、執筆された本も多数。バルサスクール福岡校なんかでの活躍がかなり記憶に残っている方です。

その後、続々と選手獲得のニュースが舞い込んでくることで、「これは本気でリカルドのサッカーを作りに行くんだ」とワクワクしました。

それまでのレイソルの超大まかな流れとしては、
  • ネルシーニョ政権の圧力、強度と勝負師能力で戦う
  • ユースにかかわっていた吉田や下平を監督に起用し、保持サッカーを目指す
  • 実らず、実るまで待てずに迷走の時期へ
  • 第二次ネルシーニョ政権もかつての栄光は取り戻せず
  • コーチとしてネルシーニョ門下生だった井原が就任するも上積みできずぎり残留
というところで、一度ボール保持を目指そうとして断念していた流れがあるわけです。

それを今再び、というのもそうだし神戸、広島と強度+個々の能力を発揮するタイプがJリーグの主流になる中でのチャレンジというのもすごいことだなーと思っていました。

そしてこの時点で、シーズン通してチームを支える数多くの新加入選手が決まっていきます。

幸運だったのは、徳島で絶大な信頼を得ていた垣田を2024年のシーズン途中で獲得できていたのもあるでしょう。垣田の働き無しに今シーズンの話はできないけど、在籍自体はリカルドより前からというのも巡り合わせな感じがしますね。

これは面白いことになる、という気持ちが半分、もう半分はチーム作りは大変だから今年は上位半分(トップハーフ)に入れれば万歳、ひとまず残留決めながらチームを育ててほしい、そんな気持ちでした。

ただ蓋を開けてみれば、開幕直後からしっかりボールを持つ形と意志の統一がしっかりされていて、これは今シーズンとんでもないことになるぞ・・・とワクワクしたのをすごく覚えています。

開幕ブースト、対策、そして発展と順応


序盤は大きなモデルチェンジに加え、Jリーグでは珍しい徹底保持型ということで面白いように相手を攻略し、しっかりと勝ち点を重ねていきます。

今日データを見て知ったのですが、今シーズン一番低い順位で5位だったようです。つまりずっと上位グループには居られたわけで、チーム作りに時間がかかるという予想を大きく覆すスタートとなりました。

ただそれでも、対策というのは練られてくるもので。

特に目立ったのは、徹底して前から同数守備を試みるやり方。
柏の最後尾に対して同数でプレッシャーをかけ、ミスを誘う方針に結構苦しんでいた印象があります。

特にこの序盤~中期に関してはとにかく保持を徹底する、という意志が強かったこともあり、かなりひやひやすると同時に、リスクとリターンがあまり釣り合わないなという印象も。

ただ今思うと、あえてチャレンジする時期としてやってたのかなーと思う部分もあります。

その理由としては、その後ある時期からロングボールで簡単に陣地を回復させよう、という動きが明確に増えたからです。

保持の意識を徹底的に高めてからロングボールOKが出たんじゃないか、なんてのはもう推測を超えて妄想の域になってしまうんですが、チームとしての戦い方を堅守速攻からボール保持中心に書き換えていくにはそれぐらいの強烈な思想がないと難しいのかもなーと思う部分もあるので、案外あり得ない話じゃないとも思っていて。

ロングボールによる陣地回復というのは、前からプレスをかける強度の高さと合わせて大きな武器になりました。またリスクとリターンの釣り合わない保持と無理に戦わずに、より大人なサッカーを敢行していく大きな転換点はこのロングボール導入だったんじゃないかと。

これにより、ハイプレスに対しても一つの対応策を持ちながら保持とのハイブリッド、というか状況に応じた選択をすることで戦い方の幅を広げていきます。

と同時に、新加入選手だけでなく以前から在籍している選手の適応が進み、試合への出場が徐々に増えていくのもいい変化だったなと。

特に山田、三丸、戸嶋、そして最終盤の細谷あたりは良く適応していったというか、要求されるプレーが大きく変わる中でしっかり積み上げてきたんだなと感じるプレーが多く見られました。

三丸の進化はチームの明るい材料である


特筆したいのが三丸。

他の選手は柏の下部出身ということで保持型のサッカーに馴染みがあったり、もともと持っている特徴として適性が高そうだなとは思っていました。

ただ最も大きな変化を見せたのが三丸だったのではないかなと思っています。

もともとは身体能力を生かした突撃型SBというイメージだったのですが、今シーズンに入って
  • ボールを持っての運び出し、縦パスの差し込み
  • 内側へ入れ替わったときのプレー判断
  • ゲームテンポの調整
と保持に必要な能力が目に見えて改善されていくのがとても楽しかった。しっかりトレーニングでチャレンジしてきたんだな、というのが所作一つ一つに現れていて感動しました。

こういった選手が出てくることはとても大事だと思っています、これからも見続けたい選手の一人です。

トレーニングでパフォーマンスを発揮すればチャンスがもらえる、というのは今シーズンのスタメンが時期によって大きく変わっていることからも伺えるし、健全な競争が行われていなければここまで良いチームには絶対になっていない。そんなことを三丸のプレーから感じました。



熊坂、杉岡、原川、久保など多く試合に絡んでいた選手の離脱も結構ありましたが、補強だけではなくメンバー全体の競争と突き上げがあったことで高順位をキープできたのは間違いありません。

あとなにより苦しいシーズンを過ごしながらしっかりアジャストしてエースたる所以をこれでもかと見せた細谷。
多くは書きません、彼のプレーは凄まじかった。瀬川とのコンビネーションも含め、間違いなくレイソルの保持とは違った角度の武器として脅威になったのは圧巻としか言えねえ。最高のストライカーです。

強化部の偉大なる仕事


で、もう一個絶対に言及したいのが強化部。これも本当に今シーズンは凄まじい仕事をした。

おそらく、リカルドの就任に伴い選手獲得のリクエストがあっただろうし、それにこたえる形で選手を続々と獲得。

開幕戦のスタメンをここで久々に見てみましょう。

GK 25 小島 亨介
DF 42 原田 亘
DF 4 古賀 太陽
DF 26 杉岡 大暉
DF 14 小屋松 知哉
MF 27 熊坂 光希
MF 40 原川 力
MF 24 久保 藤次郎
MF 19 仲間 隼斗
FW 9 細谷 真大
FW 8 小泉 佳穂

仲間はまたちょっと分類が難しいのですが、それを抜きにしても6人が新戦力にてスタメン、またこの試合はベンチスタートだった渡井も主力としてシーズン通しての活躍を見せています。

シーズン途中の補強も馬場や小西がしっかり出場機会を得る形になっており、打率の高さというか、志向している方向性としっかり一致した選手が獲得されているのが非常に大きかった。

あとは何といっても特別指定でありながらチームの危機を救った東洋大学の山之内。これもターニングポイントでしたね。

時間がかかると思われていたチーム作りが序盤からできていたのはこの選手獲得が大きなウエイトを占めていたはず。しっかりリクエストに応え、選手を取ってきた強化部の功績はとても大きいし、来シーズンに向けてどんな動きがあるのかも楽しみです。


小泉がチームに与えている影響


今のレイソルを作り上げた要因、と考えたときに名前を上げたいのが小泉です。

リカルドチルドレンである、ということ以上に「チームメイトに要求する姿」が個人的には大きくて。

詳しくはショッキングな敗戦となった天皇杯の東洋大学戦のレビューでも書いているのですが、この試合が特に多かったというだけで小泉はずっと周囲に要求を続けています。

もっと運び出せる、もっと前にパスをつけられる、もっと前からプレスをかけたい。

その小泉の要求に応じようとチャレンジすることでチームが成長してきた面は大きいと思います。小泉の要求って技術的に無理なことを要求してなくて、もっと強気にいけるだろ怖がるな、という種類のものがほとんどなんですよね。

ドリブルで前に運ぶことだけならぶっちゃけ誰でもできる、ただ奪われる恐怖、ハメ込まれる恐怖と向き合わなくちゃいけなくて、ただ今までの習慣を書き換えなくてはいけないのである意味技術を付けるより難易度が高いかもしれない。

この要求、そして自らが積極的に挑んでいく姿は間違いなくチームの成長に対して大きなカギとなったのではないなと。


試合終盤に対する絶対的な自信


あと今シーズン途中から得たものとして大きいのは、試合終盤に対する絶対的な自信かなと思っています。

0-2から4-2へとひっくり返した浦和戦なんかは一つその象徴たる試合だと思っていて。



我慢強く保持を続けて相手を振り回すことで、体力を消耗させ終盤には主導権を握れる、という確信を持って焦らずプレーできるようになったのは武器だなーと。

シュートを撃って外す、というのは見栄えがいいし撃ってしまえばある意味楽になれるんですよね、粘り強くボールを保持するってのは結構しんどいもんで。スーパーゴールを目指してミドルを撃っちゃうほうが考えることも少ないし簡単なんです。

それでも粘り強くボールを回せるのはここに対する自信と手ごたえがあるからかな?と思うことが多いし、インタビューとかでも実際に選手が言及してたりします。

またデータを見ても、76分~試合終了までの最終盤を見ると、
  • 得点(多い順)  リーグ5位(15点)
  • 失点(少ない順) リーグ1位タイ(6点)
    • 1位タイの相手は鹿島
と得点が多く失点が少ないのが明確になっています。

残った課題と今後立ちはだかる壁


一方でシーズン通した課題もやっぱり無視するわけにはいかず。

とにかく個々の能力と強度をしっかり押し付けてくる相手には苦労した記憶が強いです。鹿島、神戸、広島あたりが分かりやすいですかね。あとはちょっと違うけど、圧倒的な強度と練度の守備を貫いた岡山もここに加えたい。

数的同数で常に前線からプレスをかけ続ける。IHやボランチが下まで降りてもついていく。ロングボールに対しても屈強なCBが迎撃してくる。

こういった相手に対してどう主導権を握るか、というのは非常に難しい。グアルディオラが悩んでるぐらいだし。

あとはセットプレーですかねえ、ルヴァンでも狙い撃ちされた記憶が鮮明に残ってて頭痛が・・・

今のメンバーは基本的に保持含めた攻撃を中心に設計されているため、どうしても平均身長が低くなりがちです。もちろんメンバーとして田中、馬場を起用するなどの工夫はできるかもしれませんが、根本的にセットプレーをどうにかするというのは難しそう。それ以上に点を取る、あるいは主導権を握り続けてセットプレーの母数を減らす、という方向のほうが個人的には見たいです。

リスクを負うし、身体能力で殴られる可能性もある。それでもこのスタイルで戦うとチームが覚悟を決め、とにかくボールを握って地上戦で殴り続ける。相手をよく見てギリギリまで判断をし続ける。かっこいいじゃないですか。

ちなみに似た理由でヴェルディも個人的に好きです。相手をよく見ている。

なので課題のために変革をというよりは、この方向に尖って尖って戦い抜く、そんなチャレンジが見たいですね・・・頼むぜ。

内容の変化が楽しかった一年だったなあ


言い方は決して良くないんですが、昨年のレイソルは内容に変化が乏しい一年だったんですよね。成長だったり試合ごとに練った対策だったりが見えず、選手個々がひたすら藻掻く、そんな印象がとても強くて。

だからこそこの一年は、チームの変化を追いかけることがとても楽しかったです。

最初の大きな変化、相手が順応してきて対策してくる苦しさ、その壁を打破する成長。
選手一人一人を見ても激しい競争がメンバーの変化から見えたり、怪我によって空いたポジションに新たな顔ぶれが加わったり、とにかく継続して追いかけることがとても楽しかった。

もちろんいいサイクルだから、というのはあるんでしょうがそれ以上にチャレンジしているという姿勢がなにより嬉しかったです。

個人的MVP


最後に個人的MVPを。公式では古賀太陽でした。

個人的MVPは、小屋松を上げたいと思っています。

開幕からずっと試合に絡み続けた数少ない在籍組。かつ去年の苦労する姿をさんざん見たうえでの今シーズンのクオリティ。
前を向いて持たせればサイドで絶対優位を作ってくれる、内側で起用されればパスの出し手としての能力も見せつける。そして試合終盤までとにかく走力も判断力も落ちない。

小屋松、山田に関しては2024シーズンがつらすぎて記事を書いています。


この二人が生き生きとサッカーしてるのを見ると、どうしてもウルッとしてしまうのです。



来年のハーフシーズンについて


さて、来年は秋春制への移行に伴い、特別なハーフシーズンが始まります。
このシーズンをどう考えるかは本当にクラブ次第になりそうだなーというのが今のところの予想。

新しいチャレンジに割り切るチームもいるかもしれない、しっかりとタイトルを取りに行くかもしれない。
昇降格がないためリスクのあるチャレンジはしやすいと思うんですよね。

なのでなんにも分からない!というのが正直なところです。ただコンディション等を考えると普段のシーズンよりもいろんな選手が見れる可能性はあると思うので、そこらへんが楽しみ。

あとは新加入選手たちがチーム内の連携を深める場として使ったりもできそう。

何より思うのが、おそらく人生で一回しか見れないフォーマットだと思うのでとにかく楽しみたい!というところ。

そしてその楽しみの中心には、チャレンジを続けるレイソルがいてほしいな、と思います。

柏レイソルについて書いた試合感想文などは以下リンクにまとまっています。
まだDAZNでは今シーズン全試合がフルで見られるそうなので、気になる人は読みながら読んでみてほしいなと思います!以上!


来年はもっと記事書きます!!!!




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