書いてないチームをガンガン書こうぜ!という目標を今年立てていたものの、全然出来てなかった(レイソルが面白すぎた)ということで、今日はちゃんとやるぞ!と試合を選んでみました。
特に明確な理由はないんですが、選んだのはヴァンフォーレ甲府vsV・ファーレン長崎。
長崎は結構面白いサッカーをすると色んな人から言われたこと、甲府の試合ってそういえば全然見たこと無いなあと思ったのが多分理由、後付けかもしれない。あと見始めて思い出したけど、日体大柏の生んだ化け物、土屋くんが甲府に期限付き移籍中でした。
甲府のホーム、「JIT リサイクルインク スタジアム」は初めて見たかもしれない、ちょっと画角が低くて見るの大変かもなあという気持ちに開始1分でなりつつ、これもまた修行という。
色んなクラブを見るとそういった画角に敏感になるのだろうか、と画角評論家らいかーると叔父貴をちょっと思い浮かべた。
配置の見定め
知らない、見慣れてないチームの試合を見るときは、まずもって配置をざっくり見ることが多い。
それぞれの配置がわかれば、どこに数的有利不利が出るかが掴める。それを掴めれば、どうやって対策するかを見る、という順番になりがち。
なお、配置が不安定だったり左右非対称だったりフリーダムなときは、数試合見てれば意図的か偶発的か分かるんだけど1試合だと難しい。そういった変化もあって、J1という一つのリーグを見るのが楽しくて他のリーグをサボってしまうという気持ちがあるからこそ、いろんなリーグ見ねばと思ってはいる。
で、こういうときはひとまず「最終ラインの人数」「ボランチ的な役割」だけ掴むのが僕はすごくやりやすい。
甲府は最終ライン5枚、押し込まれたら揃えて守りたい雰囲気かなーとか見てたらマテウスがパワーでねじ込んで長崎が先制。
クロスの前にはエラシコっぽい技も見せてるし0トップみたいなボールの引き取り方してるし、ここが色んな軸になりそうだなと思わされるゴール。しかしフィジカルがすんごい。
甲府の前線に目を移すと、三平がワントップ気味だけど真ん中に固執せずガンガン外へ流れ気味、髪型的に目立つので分かりやすい。
それぞれの配置がわかれば、どこに数的有利不利が出るかが掴める。それを掴めれば、どうやって対策するかを見る、という順番になりがち。
なお、配置が不安定だったり左右非対称だったりフリーダムなときは、数試合見てれば意図的か偶発的か分かるんだけど1試合だと難しい。そういった変化もあって、J1という一つのリーグを見るのが楽しくて他のリーグをサボってしまうという気持ちがあるからこそ、いろんなリーグ見ねばと思ってはいる。
で、こういうときはひとまず「最終ラインの人数」「ボランチ的な役割」だけ掴むのが僕はすごくやりやすい。
甲府は最終ライン5枚、押し込まれたら揃えて守りたい雰囲気かなーとか見てたらマテウスがパワーでねじ込んで長崎が先制。
クロスの前にはエラシコっぽい技も見せてるし0トップみたいなボールの引き取り方してるし、ここが色んな軸になりそうだなと思わされるゴール。しかしフィジカルがすんごい。
甲府の前線に目を移すと、三平がワントップ気味だけど真ん中に固執せずガンガン外へ流れ気味、髪型的に目立つので分かりやすい。
4分頃に長崎がどっしりと配置を取って前進を目指す流れ、こういうときが一番お互いの配置や目指す方向が見えるのでありがたく拝む。
長崎は2CBが大きく開いて真ん中にGKとアンカー、SBを押し出す配置。そこに甲府は1トップ2シャドーが並んで3枚でプレス+WBが押し出して長崎のSBを捕まえに行く狙い。こんな感じ。おそらく甲府は二度追いでCBまで圧力をかけられるならGKまでプレス行きましょう、という基準があるかもしれない。
このとき、甲府としては長崎のアンカーである加藤のケアとGKへのプレス、どっちを選ぶか、どう両立させるかがまず課題になりそうだな、という印象。GKからCBまで一人で二度追いが出来るなら最前線3枚の誰かがケアできるけど、そこに綻びが出るとど真ん中でフリーを生み出してしまうため難易度は低くない。
逆に甲府の保持時は3241っぽく見える。2CHがパスコースを真ん中付近で作りつつ、WBを高い位置まであげて起点とする形っぽい。長崎の中盤に対しては噛み合い上フリーが生まれやすそうなので、そこをどうケアするかな?というのが観察ポイント。あとは、甲府のWBが両方常に横幅を取るのであれば、サイドチェンジしたときに有利を握れそうかな?とか。
というように、お互いのざっくりルールと配置を把握すると、その試合で起こりそうな現象が予想できるので見るポイントを絞れる。ちなみに何試合も見たチーム同士の試合だとこれが試合前から考えられるし、それがみんなやってる「マッチプレビュー」ってやつ、だと私は思ってます、違ったらごめん。
こういったお互いが保持思考になると、特性としてターン制っぽい試合になる。
どっちかがどっちかを押し込んで、というのをお互いに繰り返す、じっくりとした試合展開。甲府はアンカーを消すことにより重きを置き、三平がそこのパスコースケアにある程度注力しながらシャドーが前へ押し出す形が若干増える。よって長崎はある程度持てるが差し込む場所をなかなか作れない。
ただ綻びが出来れば長崎は見逃さずチャレンジしてくるし、甲府はサイド起点のシャドー飛び出しが機能するというお互い狙っている形がある程度出せている状態。
ただ、時間が進むにつれて甲府が押し込む時間が増え、長崎の保持は位置がなかなか上がらない展開になっていく。
かたや長崎の保持に対しては、プレスをある程度しない代わりに縦パスの差し込み先を甲府が徹底して押さえる形に。長崎の保持スタイル的に、縦パスが入らないとなかなか前進が出来ないので位置が上がっていかない。
とはいえ縦パスが入ればゴール前目前まではスコンと進めるのでそこまで焦ることも無さそうではあるが、やりたい保持が実現できていたのは甲府に見えた、そんな前半。
このとき、甲府としては長崎のアンカーである加藤のケアとGKへのプレス、どっちを選ぶか、どう両立させるかがまず課題になりそうだな、という印象。GKからCBまで一人で二度追いが出来るなら最前線3枚の誰かがケアできるけど、そこに綻びが出るとど真ん中でフリーを生み出してしまうため難易度は低くない。
逆に甲府の保持時は3241っぽく見える。2CHがパスコースを真ん中付近で作りつつ、WBを高い位置まであげて起点とする形っぽい。長崎の中盤に対しては噛み合い上フリーが生まれやすそうなので、そこをどうケアするかな?というのが観察ポイント。あとは、甲府のWBが両方常に横幅を取るのであれば、サイドチェンジしたときに有利を握れそうかな?とか。
というように、お互いのざっくりルールと配置を把握すると、その試合で起こりそうな現象が予想できるので見るポイントを絞れる。ちなみに何試合も見たチーム同士の試合だとこれが試合前から考えられるし、それがみんなやってる「マッチプレビュー」ってやつ、だと私は思ってます、違ったらごめん。
保持思考同士の地上戦
両者ともに保持を目指す意志を感じるが、その方向性や配置はだいぶ違う。
甲府は3バックとWBを使ってU字にパスを回しながら、差し込めれば中央を使うというサイド起点の保持、長崎は中央を起点にしていきさそう。
甲府は3バックとWBを使ってU字にパスを回しながら、差し込めれば中央を使うというサイド起点の保持、長崎は中央を起点にしていきさそう。
こういったお互いが保持思考になると、特性としてターン制っぽい試合になる。
どっちかがどっちかを押し込んで、というのをお互いに繰り返す、じっくりとした試合展開。甲府はアンカーを消すことにより重きを置き、三平がそこのパスコースケアにある程度注力しながらシャドーが前へ押し出す形が若干増える。よって長崎はある程度持てるが差し込む場所をなかなか作れない。
ただ綻びが出来れば長崎は見逃さずチャレンジしてくるし、甲府はサイド起点のシャドー飛び出しが機能するというお互い狙っている形がある程度出せている状態。
ただ、時間が進むにつれて甲府が押し込む時間が増え、長崎の保持は位置がなかなか上がらない展開になっていく。
甲府はサイド起点なので陣地の取り返しが比較的安易に出来る。またそこを重点的に対策しようという長崎の動きもないため、押し込むところまでは辿り着きやすい。
かたや長崎の保持に対しては、プレスをある程度しない代わりに縦パスの差し込み先を甲府が徹底して押さえる形に。長崎の保持スタイル的に、縦パスが入らないとなかなか前進が出来ないので位置が上がっていかない。
とはいえ縦パスが入ればゴール前目前まではスコンと進めるのでそこまで焦ることも無さそうではあるが、やりたい保持が実現できていたのは甲府に見えた、そんな前半。
お互い同じようにボールを持っているように見えても、起点の違いで高さが変わるというのが見えたケースだと思う。
あと前半の感想として、お互いサイズのある1トップなのだが電柱仕事が全然無く、シャドーと入れ替わりながら足下でボールを引き取る役割が多いのは意外だった。とはいえクロスやセットプレーのターゲットとしては間違いなくパワーがある、ただ理不尽力でいうと長崎に分がありそうなので甲府は早めに追加点が欲しいかな?と思ったり。
後半、交代に抱えるジレンマ
47分に長崎が見せたポケット突撃は可能性を感じる攻撃だった。5枚が揃っている甲府に対して、WBかCB一枚を引っ張り出せれば再現できそうだなあという手応えはありそう。
面白いのは、お互いプレスの意識が盛んな立ち上がりの方がお互いチャンスが出来ているというところ。どうしても元気な時間帯だったり、後半開始時はプレスに行きがちなのだが、甲府も長崎もプレスが実るというより利用されるシーンが若干目立つので難しい。
と思いながら見てたんだけど、徐々にお互いのプレスが実り始める。
長崎はショートカウンターから決定機を作るし、甲府は長崎を敵陣から脱出させないプレスがかかるので、変なミスをしたら即ピンチになるような展開なんだけど、哲学かマンパワーか、どちらも安易なロングボールで逃げることも顕著に増えるわけではない。
交代でお互いにクロスや雑めな攻撃でも価値を発揮できる選手を投入。長崎はマテウスがチャンスメイクに下がってもフアンマがゴール前に入れるためターゲットに困らない。
また甲府も、動き出しの量と駆け引きに優れる大島が起点になろうと奮起。
ただお互いに、それが故に抱えるジレンマも見え隠れ。
甲府で言えば、単純に高さのあるターゲットがいなくなったことでシンプルなクロス勝負が難しくなってしまう。崩す力や裏取りは可能性を増したように感じたが、ある程度押し込んでセットした守備と対峙したときにちょっと辛そう。
逆に長崎は、フアンママテウスとロマンはあるものの、ヘディングのターゲットと落ちながらの起点作りなので、追い越していくタスクをこなせる選手がもうちょっと欲しかったように感じる。ポケット突撃と言われる、ハーフスペースへの突撃が効果的っぽいシーンがいくつかあっただけに、そこの再現性があればもう少し決定機に迫れた、かも。あくまでたらればなんだけど。
長崎はショートカウンターから決定機を作るし、甲府は長崎を敵陣から脱出させないプレスがかかるので、変なミスをしたら即ピンチになるような展開なんだけど、哲学かマンパワーか、どちらも安易なロングボールで逃げることも顕著に増えるわけではない。
交代でお互いにクロスや雑めな攻撃でも価値を発揮できる選手を投入。長崎はマテウスがチャンスメイクに下がってもフアンマがゴール前に入れるためターゲットに困らない。
また甲府も、動き出しの量と駆け引きに優れる大島が起点になろうと奮起。
ただお互いに、それが故に抱えるジレンマも見え隠れ。
甲府で言えば、単純に高さのあるターゲットがいなくなったことでシンプルなクロス勝負が難しくなってしまう。崩す力や裏取りは可能性を増したように感じたが、ある程度押し込んでセットした守備と対峙したときにちょっと辛そう。
逆に長崎は、フアンママテウスとロマンはあるものの、ヘディングのターゲットと落ちながらの起点作りなので、追い越していくタスクをこなせる選手がもうちょっと欲しかったように感じる。ポケット突撃と言われる、ハーフスペースへの突撃が効果的っぽいシーンがいくつかあっただけに、そこの再現性があればもう少し決定機に迫れた、かも。あくまでたらればなんだけど。
その他雑感
- どうしても選手のぱっと見と名前が一致しないと僕は試合を見づらいことが判明した。ざっくりどうやってサッカーしてるかは分かるんだけど、それぞれのタスクとかが見にくい
- これに関しては試合数を重ねることしか解決法が無いので、記事にするしないは別としてたくさん試合を見る!+ちゃんと実況解説で名前を摂取する、みたいになりそう
- 選手名鑑も大事か?
- 両者ともに、押し込んだ先である程度苦労してそうだけど、苦労の方向性が違う
- 甲府は理不尽さがそこまでないからこそ、崩しきる形とセットプレーが鍵かなと
- WBの幅を有効活用する意識は高そうだから、WB起点が洗練されたらかなり熱い
- 長崎は逆に、理不尽力をどう押し付けるか、という方向が気になる
- マンパワーで言ったらJ2でも相当高い方だと思うので、それをどうやって相手に叩き付けるか
- クロスやアバウトなボールで勝負させるのか、ボックス内でがっつり構えてもらうのか、とかやりかたはいろいろある
- どちらも、幅を使って広げたその先が悩んでる感じ
- 長崎のWB吊り出し→ポケット突撃ランは結構可能性を感じた
- 甲府はしっかり守ろうと思うと硬い、ただその分カウンターへ出力が出しにくそう
- なのでギャンブルするより保持型で攻めのターンを作るのはかなり理にかなっている気がする
- J2、もっとたくさん見ようと思いました
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