2026ワールドカップ グループA 第3節 南アフリカvs韓国「選手目線で上達する見方をしよう!」

2026年6月28日日曜日

2026ワールドカップ

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ワールドカップ大分析祭り、の担当試合でございます。

グループA 第3節 南アフリカvs韓国。

韓国は引き分け以上で決勝トーナメント進出確定、南アフリカは勝てばグループ3位で望みが繋がる、という状況の試合。

普段は戦術というか、試合中にどんなことが起こっててチームの狙いはどんな感じだったのか、みたいないわゆるレビューをするんですが。

今回の企画での私の紹介文がこちら。

サッカー強豪校八千代高校出身であり、ブランデュー弘前の選手でもあった山田有宇太さん

ということで、せっかくなら選手経験を活かしてあれこれ書いてみようじゃないか!というのが今回の試合の見方。

なので、一応全体の感想も書きつつ、

・現役時代に見ていた、自分が上手くなるための見方
・その見方を、プレー個々を取り上げて紹介

という形で書いてみようと思う。戦術眼だレビューの書き方の上手さだ、みたいなところでは絶対に埋もれるので、私ならではみたいな書き方になったら良いなー、なんて気持ちです。

なので出来れば現役でサッカーやってる人に届いてほしかったりする。フォロワーにどれだけいるかはわかりません!


試合全体の感想


ソンフンミンがスタメンじゃ無いのか!という驚きの韓国。理由は調べたけれどよく分からず。

お互い最前線まではプレスをかけないので、しっかり保持して押し込もうぜという哲学がどっちもありそう。ただチャンスとみればしっかりプレスはかけるし、やばいかも?と思ったらさくっとロングボールでボールを前に送るので、お互いリスクを避けつつ様子を見る立ち上がりに。

韓国は325で保持。2は片方がふらっと動いてもう片方が自由を得るスタイル。南アフリカの最終ラインが4枚なので、大外が持った時にシャドウがポケット突撃からチャンスを作るのが基本になりそう。

南アフリカも保持はしたそうなんだけど、そこまで得意だぜって雰囲気でもない。ただトランジションの早さと韓国のパスミスもあいまってやれそうな雰囲気マシマシ、という流れ。流れのポゼッションはいかないけど、ゴールキックとかセットされた状態であれば前からプレス。韓国はそれを受けた上で保持を目指すけど引っかかっちゃう、みたいな。

カウンターに出たときのスピードが南アフリカは特徴になりそうだし、保持を目指している関係かカウンターでもただ蹴るんじゃ無くてしっかり意志を持ったボールの動かし方が出来ているので切れ味が鋭い。

韓国としては粘り強く保持することで前線を引かせてカウンター発動自体を減らしたい、となるとミスを減らさねばならない。あと30分過ぎぐらいから、低空サイドチェンジ入れれば通るじゃん!となって右サイドへの低空展開を何度か打ってみる姿も。

ただ、ミスっちゃいけないところや急がなくていいところでスイッチ入れる、みたいなビルドアップ上やっちゃいけねえ的プレーから何度かピンチを招く。したがって韓国が保持をやり通せれば基本的には韓国のやりたい展開、ボールを奪うかミスを誘えれば南アフリカがカウンター炸裂、という比較的見やすい構図の展開が続く。


後半開始から韓国は大エース、ソンフンミンを投入。

大きな変化はなく、基本的には韓国が保持しながら大外へボールを届ける展開が続く。
ただ、南アフリカは前半よりもここへの対応を「最終的に1vs1で止めれば良い」みたいな心構えに変えている気もする。韓国側の大外へのサポートが乏しいのも相まって、ボールを届けても何も起きない、みたいなシーンの連発。とはいえ引き分け以上で充分なので、変なミスをしなければ韓国の手中かなあ、みたいな展開でもある。

という試合展開を、カウンター一閃で南アフリカが書き換えてしまう。爆発力は正義。

なのでここからは押し込むだけじゃ無くて、本格的にゴールへ向かうことが要求される韓国なんだけど、大外に届けた後の崩しが全然用意されてない感じが試合を通して伝わってくるので非常に難しそう。CBが6人目として突っ込んでくる森脇ムーブだったり、ポケット突撃+1人でのローテーションだったりがあればまた違ったのかもしれない。

象徴的だったのは76分付近かもしれない、イガンインが4人近く引きつけていたのにその周辺のスペースを何も活用できない、もちろんパスを出せない体勢かもしれないけど、それよりも引きつけたことで生まれたスペースを使おうという選手がいなかったこと、の方が目に付いた。

あとソンフンミンにどんな仕事をさせたいのか見えなかったのもちょっと残念。

最後は走力面でも限界まで消耗した韓国は点を取れず南アフリカの勝利。
なおこの後、あらゆる他力本願の可能性が全部潰れて韓国は予選リーグ敗退。一方の南アフリカは史上初の決勝トーナメント進出と、すんごい明暗の分かれ方になったのであった。



個々のシーンを選手目線でいろいろ


さて、ここからが本筋。
私は現役時代、サッカー観戦を上手くなるためにひたすらやってました、結果は出ませんでしたが。
なので全体の動きを見るのも好きですが、この選手のこのプレー真似したいな、この立ち位置良いな、この駆け引き凄いな、みたいなマクロ目線で見ることが多かったです。

その感覚でここからは書いていきます。試合時間を横に添えるので、気になる人は時間を合わせながら記事読んで映像見てほしいなと思います。

3:53
ただの縦ロングパスなんだけど、こういう低空でするっと伸びるキックは練習しないと出来ないので要練習な良いキックだなあと思う。
芯を捉えつつややダウンスイングで蹴るイメージじゃないとこれ蹴れないんだよな・・・

10:29
一回裏抜けを見せておいて、戻ってくるタイミングでDFの間に立つ良い引き出し方、南アフリカCBの管理が甘い部分もあるんだけど、しっかり隙間に立つだけじゃなくてマークを緩ませる工夫も入っているのが良い。差し込むパスの質も高い。
ファーストタッチさえ決まって入れば、だったんだけどちょっと軸足と止める足の距離が離れすぎて重心が動かせなかったかな。

13:42
足裏でボールその場に止めて、自分がボールの向こう側へ移動するターン、フットサルをちょっと感じる。後ろにスペースがなかったり、プレスの圧を感じたときにこれでいなす人居て上手いなーと思った記憶。頭の片隅にプレーイメージがあるだけでも咄嗟に出そう。
この手のプレーは技術の要求値がそんなに高くないので、イメージを持っているかどうかで変わると思ってます。

20:30
こういうちょっとしたスペースで前を向くのも、技術じゃ無くて認知というか情報量だと思うんだけど、私が現役時代一番できなかったところだからシンプルに憧れる。

21:14
ズームだから分かりやすいんだけど、足の振り、身体の向きはバックパスなのにボールは前向きに蹴られている、よく言われるインサイドの表裏ってやつの場面。
このカメラだと分かりやすくていいね。ちょっとでも前に付けようというプレーで好き。

29:04
このタイミングで飛べるDFは強い。しっかり半身を作って弾いているのも偉い。
空中で止まるヘディング、とよく表現されるけどジャンプの高さそのものより、最高到達点に近いところでボールを待ち構えられるかどうかだと思っている。

33:06
後ろからのプレスを見て、ドリブルのコースと身体の起き位置を微調整した結果しっかりファウルをもらう。ちょっとボールにスピンをかけることでボールを外に逃がし、結果としてDFとボールの間に身体を入れやすい状態を作っているのが秀逸。
ボールを待たなきゃいけない、でもDFはフルスプリントしてくる、という難しい局面でよくボールを守ったなあと。

35:00
ターンが上手いのもそうなんだけど、軸足である程度相手をブロックしつつ回ってるのが上手。
二人来たらDFの間を狙え、というセオリーも含め、うめ~~~!って感じ。日々のドリルはこういう所に案外出たりすると思ってます。なぜなら私がドリル系をやらずに、結果これが出来なかったから。

38:11
まず縦パスがすごい。体勢崩れつつ、ややスピードが上がってる状態のプレーでしっかり通すのが偉い。
そして意図的か、結果的にかは分からないけどファーストタッチが内側へ入ったことでDFを反転させたのもすごい。
おそらくDFは触らずにスペースへ流れたところで勝負、と思っているのを覆したタイミングでのタッチだったのでがっつり背中が取れた。逆に言うとこういうとき、DFは外へ行きそうだなあと予想を立ててもギリギリまで内側を締めなきゃいけないんだな、というサンプルでもある。

51:03
地味だけど、DFが寄せてきた方向と逆にトラップすることで、ついさっきまでDFが居た場所を利用するトラップ。
DFの動きを物理学で言う「ベクトル」に置き換えて、「矢印を折る」なんて表現もされるプレー。
コレできる人って、ちゃんとDFを見てるんだよなって思う。今DFが居る場所は0.5秒後にスペースになる、というのが現役時代に理解できていたらもっとボール持てただろうなと思うので是非練習してほしい。

57:41
ボールを奪うと相手の勢いを利用して反転、いったんサイドに付けてリターンパスもらうことで時間を確保、近い方の縦パスを一瞬見せることでマーカーを引きつけて遠い方へ縦パス、カバーでずれた中間ポジションを利用して一気に攻勢、と綺麗な保持カウンターを魅せた南アフリカ。
まず奪った後の反転が上手いし、ただパスを交換するだけでスペースが作れるというお手本だし、2つある縦パスのコースの使い方、DFの警戒の誘い方も本当に参考になる。

61:06
裏に走るフェイクで戻りながらパスを引き出し、前向きの味方に渡すことでボールの保持+大外へスペースを渡す好プレー。自分が落ちて受ける事で、ボールが保持できるだけじゃ無くて味方が活用できる場所を渡せる、というビジョンが見えているのが凄い。

62:04
南アフリカの先制シーン。
奪ったボールをあえてヘディングではなく、胸や足で扱える軌道のパスにしたこと、ワンタッチでアウトサイドという難しい向きの落としを成功させたこと、真っ直ぐ縦に転がすパスの強さが完璧だったこと、切り返しからファーへのシュートを意識させてDFの足を誘って股抜きのコースを作り出したこと。全てが上手い。一個一個切り出すだけでも楽しい。

86:40
相手FWがその場で踏ん張ると見抜いた瞬間、張り合わないで横から先に触りに行く好判断。
これも相当地味なシーンなんだけど、がっつり電柱仕事が出来るFWを相手にするとき、こういう引き出しを持っておくと守備の駆け引きが出来るので楽しい。
ちなみにこれを読まれると、ブロッキングしながら前方にボールを流して一気に韓国が前進出来るので難しい駆け引きではある。

93:34
ギリギリまでずっと内側のパスコースを意識させることで、より外側にひらいた味方をDFに悟らせない駆け引き。この時間帯において、このパスが1本と押せることがどれだけチームを救うか。
南アフリカは全体的にこのシーンみたいな、使いたいパスコースを隠す、ということを丁寧にやっていた印象がある。


この試合は、あんまり上手くいってない韓国がボールを保持する時間が多かったため、これでも普段よりだいぶ少ない数ではあるが、現役時代はこんな感じで見てたなーと思い出しながら書いていた。

「イマーシブビュー」を上達・勉強に役立てよう


今回のワールドカップ、選手が上達の為に使えそうな機能があるので是非活用してほしいなあと思う。

それが「イマーシブビュー」である。

要は3Dで再現されたCGで試合を見れるんだけど、これが結構な優れもの。
勉強に使えるし、ちゃんと現地音声、実況解説も入っているので飽きずに利用できる。

https://fifawc2026immersive.dazn.com/

このURLからDAZNアカウントでログインすれば、全試合分使えるのでまだ見てない人は試してみてほしい。


1.俯瞰で90分追ってみよう


戦術好きがとにかく欲していたであろう、ピッチ全体を90分見続けられる機能。
これを利用して、チーム全体をひたすら見たり、あるいは自分のポジションの選手がボールから遠いときにどんな動きをしているのか、という勉強が出来る。

特にCFなんかは、タイミング良く降りてボールを引き出したときにしかカメラに写らない、どうやってフリーで降りたのか分からない!みたいなことがあると思うので、その点が非常に参考になると思う。

全体を見るもよし、個人を90分追うもよし。カメラに写らない場所が無い、というのは凄いことなのです。本当に。このために現地観戦してるまであるからね、普段。

90分ポジショニングを追いかけると、いつ首を振ってるのか、どのタイミングで何をするのかっていう具体的な所もだけど、おおよそのルールとか原則が見えてくると思う。それが分かると応用が効いたり、自分のプレーに役立てられるはず。

2.選手の視野を追体験しよう

サッカーにおいて、プレーイメージとか戦術メモリーなんて言われる能力は超大事。
ざっくり言えば、考えるんじゃ無くて思い出す、あるいは身体が反応するぐらいの感覚で戦術的に正しい動きが取れる、というもの。

これを習得するには日々の練習が大前提なんだけど、観戦で鍛えるのはちょっと難しい。
こういう動きがある、と観戦で知った上で、じゃあピッチ上ではどう見えててどこを見れば良いのか、という想像をしなくてはいけない。
つまるところ、なんとか想像上で追体験をして、架空のプレー経験を積む必要がある。

それがお手軽に出来るのが、選手目線の再現機能だ。これはすごい。
もちろんあくまで顔の向きから推測されたカメラであり、実際は眼球を動かしたりしてるから精度が凄く高い、とまでは言えない。けどそこはそんなに問題じゃなくて。

この機能を使えば、想像の手間を省いて選手のプレーが追体験できる。つまり試合してないのに経験値を稼ぐことが出来る、これは相当に大きい。

実際に見てみた感じ、いつ首を振ってるのか、とかも体感できそう。これはすごい。

あと酔いそうだったり、もう少し周りの状況を知りたい、身体の向きとか見たいってなれば3人称視点でも良さそう。

単純計算、GKを除いて20人分の90分間の視野と動きが知れる。これを時間の許す限り見てたら、それだけで膨大なプレーの記憶が手に入る。是非使って欲しい。


お祭りで楽しみながら勉強しよう


せっかくの4年に一度のお祭り、とにかく楽しんで。
その上で、上達に役立てられたらこんなに良いことないじゃ無いですか。
ということで、是非上達にも役立ててみてほしいなと思い、今回書いてみました。ちょっとでも参考になる部分があったら嬉しいです。

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