2024 J1第11節 町田vs柏「町田の強さを知りたけりゃこの試合を見ようの回」

2024年5月5日日曜日

2024J1 町田ゼルビア 柏レイソル

t f B! P L

 
いろんなチームのレビューをなるべく書こうと思ってるのですが、一応私は柏生まれ柏育ちということでレイソルを応援していたりします。

そんでもってU-23アジアカップで大活躍した小久保玲央ブライアン選手が実は私の出身クラブチームである柏エフォート出身なんて縁もあったりします。
ちなみに名古屋の山中亮輔君もこのクラブ出身で僕の一個上だったりするんです。知り合いが凄いと凄いだけ自己肯定感は無くなっていくんだぜ!

ということで、そんな柏と絶賛首位を突っ走る町田の試合です。
ロングスローだ時間稼ぎとあんまり宜しい評判を聞かないんですが個人的にはまーーーいいチームだわと思ってます。
PKスポット荒らそうとするのはさすがにあれですが、やってるサッカーはそりゃ勝つわなあと納得しながら観ることが多いです。

で、ちょっと寂しいことなんですがこの試合は町田の強さが存分に出たなと思ってます。
ただ柏から見ても決して悲観的にならなくてもいい内容だとも感じたので両者それぞれ書いていければと。


試合について


開始早々に町田の目玉ともいえるロングスロー。
基本的にはオセフンがターゲットとなるのだが、柏はここにFWの木下をマークの相手として設定する。

CKの守備ではサヴィオが付き、空中戦に強いDF陣はゾーンで守る形。

柏はCBも普段ビルドアップでの貢献が大きい犬飼ではなく立田を起用しているのもあり、とにかく高さで負けないというのは結構重視していたと思う。

町田は谷を中央とし、CBが大きく開き柴戸と4人でひし形を形成しながら柏2CFに対して地上戦からの前進を図る。

町田が先制したシーンは完全にロングスローに向けて構えようとしていた柏のDF陣がスキを見せてしまった格好に。
このゴールに象徴されるのだが、町田は良く相手を見て有効な選択をするなという印象が強い。

相手がロングボールを警戒して構えるなら地上から前進を目指すし、前からガンガンかけてくるならさっさとオセフンに空中戦1vs1が出来るボールを放るし裏も狙う。

あと町田の守備で目立ったのがSHの立ち位置。
柏のSBについていくのではなく、パスコースを切って背中で管理するような立ち位置を積極的に取る。




林解説員も言及してたが、これをやられるとCBに出した後の展開がかなりきつくなる。
極端な話、背中でSB消しながらSHとCFが同時にプレスをかけることも出来るわけで。

これを利用しようとLSHのサヴィオが内側のレーンに入ればDHがケア、そしてSBに対してSBが付くという状況まで生まれる。



チャンスがあれば前線から全部捕まえ切ろう、という守備の形は広島がJ屈指の完成度を誇るが町田もなかなか練度が高いなと思う。
広島との差を挙げるなら、発揮する頻度だとは思う。広島は強度マシマシで追い回すが町田はそこまでやり続けるイメージがない。気のせいだったらごめんなさい。

これに対して柏はライナー性のボールをジエゴに直接通したりGK松本から中央を通してDHに一発で付けたりと試行錯誤をする。

今年の柏はカウンター以外の攻め手、とまで言わずとも保持前進をしてゲームをコントロールする時間を増やす試みを続けている。

その試みはこの試合でもある程度見れたのが個人的には大きいかななんて思ったりする。

特に柏として再現を増やしたかったかなと思ったのは15分付近の場面。


このシーンでは立田が外と内で二択を突き付けながら中間ポジションを取る山田へ。
そこからサヴィオ、小屋松と連続して中間ポジションを利用した繋ぎ。
パスミスになってしまったが、もし小屋松まで通っていればジエゴはタイミングよく走り出していたため左から大きく前進できたことは想像に難くない。

ここまでの形がしっかり見えるようになったことは今シーズンの柏のチャレンジを象徴する場面だったと思う。

ある程度崩したり前進した形から、柏は主にファーサイドへのクロスを選択することが多かった。
折り返しを狙いたいのか、高さのある2CBを避けながらチャンスを作りたいのか、という意図はいくつか思い浮かぶが谷が確実に処理し続ける。
ここら辺は試合中に、どうすれば谷にキャッチされずに狙えるかという工夫が出来るとよかったかなと思う。
仕込みというか共有された狙いは見えるが、それがうまく行かない時にどう試合中で修正できるかという部分。

チャンスの一歩手前までたどり着いた数、で言えばそこまで差はなかったんじゃないかと思うが実際にチャンスにできたかPA付近でまごついてしまったか、というのがこの試合の差に見えた。

そしてそこの差はどこから生まれたのか、というあたり。

町田の強さ


今節は、町田が普段よりも保持前進に対して取り組んでいた試合のように見えた。
理由はいろいろ妄想ができる。
442の前プレなら剥がせる、という自信があったとか。
柏相手にはオープン合戦にしたくないから確実に押し込んでいきたかった、とか。

ただ大事なのは、町田がやろうと思ったら出来るというのを見せた点だ。
かつ裏やハイボールを押し付けたほうがいい場面では確実にそれを行ってくる。

この試合において町田の強さとして大きく感じた点は2つ。

①技術的に難しいことを要求しない


町田の攻撃は、決して難しいスーパープレイを必要としないことが多い。
自分よりいい体勢、体の向きの選手がいたらシンプルに使う。
中間ポジションへの位置取りをさぼらない。
裏が有効だと感じたら絶対に走る。
オセフンの周りが薄いとき、後ろでの保持が詰まりそうなときは迷わず蹴る。

難しいことは行っていないが、切り替えの早さととにかくポジショニングをさぼらないという頭の回転含めた強度が高い。
だからほぼ確実に後ろ向きで受ける選手に対して前向きのサポートがいるし、蹴りそうな場面では必ず誰かが走っている。

オセフンの空中戦は例外として、スーパープレイや複雑な機構を準備するわけではなく淡々とやるべきことをこなす。
絶え間なく味方を助ける動きをし続けるから保持においてもリスキーな判断少なく前進できるのは優秀だなあと。


②判断が揃っている


それを可能にしているのは、選手たちの間で判断が揃っていることだと思う。
後ろが蹴りたいな、という場面で前は足元で受けようとせずに走る。あるいは二人でそれぞれの動きをして選択できるようにする。
一本のパスに対し、ワンタッチで受けられるサポートにすぐ入れる。

ここら辺の選手個々が判断するポイントがぶれずに揃う、同じイメージを持てているのは強みだと思う。
そしてそれを支えるのは、最悪前線に放ればいいという割り切り、それを実現させる空中戦と裏への抜け出しの徹底。

逃げ道が確保されていると、ボールを持った時にチャレンジしやすい。恐怖が薄れるからだ。そこら辺の影響は小さくないんじゃないかなと思う。


柏サポ目線では手ごたえもあり


と言いつつ、柏サポ的には手ごたえもボチボチあり、決して悪い試合ではなかったと思っている。


前進するところまでは出来てきた


今年明確に取り組んでいる、保持からの前進がちゃんと首位の前プレを受けてもしっかりチャレンジでき、かつ複数回出来たというのは大きいと思う。

もちろんサヴィオの個人能力で解決しているシーンも多いのだが、ちゃんと隙間に立って、そこにパスを通しましょうという試みがピッチ上に見えるし、立田もしっかりチャレンジしというのが凄く個人的には良かったと思う。


そこからどうシュートに持っていくか


あとはどうシュートへ持ち込むか、あるいはクロスに対してどう合わせていくかというところが大事になってくると思う。
そういった意味で島村の動きは確実に可能性を感じさせるし、起用に立ち位置によって役割を変えながらゴールに迫れる小屋松はありがたい。

複数得点がなかなか取れていない現状はしんどいが、中身としては確実に充実しているからこそしっかりと内容を評価して楽しみにしていいと思う。


雑記


町田は相手に合わせるというより、相手が嫌がることをしっかり選んで実行できる幅を見せつける試合となった。
どこまでがスカウティングによる事前の仕込みでどこからがピッチ上での判断なのか我々にはなかなか分からない。
だが柏がなかなか得意なトランジション合戦に持ち込めなかったのは町田の保持前進とロングスローが大きかった。
ロングスローとなればほぼ全員が帰陣しなくてはならないため、ロングカウンターどころかセカンドボールのダッシュさえ難しくなる。

とロングスローを常に選択肢として突きつけつつ相手を見て咄嗟に違うプレーを選択した得点シーンこそが町田の真骨頂と言えるかもしれない。

あと谷の総合力の高さも光る試合となった。しっかりプレスと向き合って縦パスを刺せるのはさすが。


柏としては、保持前進の先をどうするかがおそらく喫緊の課題になりそう。
で、中長期的には2CB2DHの関係をもう少し向上させたい。
前進のメインがより前線の列落ちを活かした数的優位なのだが、もう少しDHを経由できれば前線に人がいる状態で前進できる。となれば裏へのボールももっと可能性が高い状態で遅れそうだなと。

QooQ